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田辺製薬と三菱ウェルファーマ(WP)は2日、今年10月1日付の合併に向け基本合意したと発表した。売上高は4000億円規模と、国内の医薬品を扱う企業では第6位となる。両社とも新薬創出に悩み、海外での売上高は全売上高の1割に満たず、事業基盤の強化が迫られていた。三菱WPは脳保護薬「ラジカット」、田辺は生物製剤で関節リウマチ治療薬「レミケード」という柱となる製品を持ち、開発品を含めると循環器・代謝、呼吸器、免疫の領域では厚くはなる。
三菱WPの親会社である三菱ケミカルホールディングスを含む3社は同日の取締役会での決議を経て、基本合意書を締結した。田辺製薬を存続会社とし、三菱WP株1株に対し、田辺株0・69株を割り当てる。新社名は「田辺三菱製薬」、本社は大阪市。新社は三菱ケミカルホールディングスがその株式の過半数を有する連結子会社となる。代表取締役社長には現田辺社長の葉山夏樹氏が、代表取締役副社長には三菱WP社長の小峰健嗣氏が就く。
合併理由について、「創薬力のさらなる強化と海外事業展開の加速化」を挙げる。そのため、事業規模の拡大と経営基盤の強化により「国内トップクラスの製薬企業へのステップアップが不可欠である」と両社は判断、今回の基本合意となった。
また、ジェネリック事業に参入するとした。三菱化学グループの診断・検査に関する事業も生かしテーラーメード医療への対応も図るとしている。OTC事業は当面存続させる。
MRは合わせると2600人体制となるが、これは国内トップ企業並み。研究開発費は、三菱約480億円、田辺約290億円と、約780億円となるが1000億円には満たない。
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