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【薬学教育協議会】06年就職動向調査‐約3割の卒業者が薬局勤務

2007年01月31日 (水)

 全国の薬科大学・薬学部卒業生の就職先は、1999年から「薬局勤務」がトップとなっているが、06年3月もこの傾向が続き、薬局への就職者は卒業生の27・2%と、過去最高だった前年より0・1ポイント減少したものの依然トップを続けている。薬学教育協議会がまとめた06年「薬科大学卒業生・大学院修了者就職動向調査」で明らかになった。一方、病院薬剤部への就職も前年より若干減少した。

 薬学教育協議会は毎年、全国の薬科大学・薬学部に依頼し、卒業生および大学院修士・博士課程修了者の就職動向と初任給を調査している。今回回答を得たのは45大学(国立13、公立3、私立29)。学部卒業生の調査をみると、卒業生の数は全体で8369人(男3153人、女5216人)、設置主体別では国立1111人、公立200人、私立7058人。このうち、給与が判明した人は就職者全体の約62%だった。

 卒業生の主な進路は、[1]進学28・9%(前年29・0%)[2]薬局27・2%(27・3%)[3]病院診療所薬局14・2%(15・2%)[4]製薬会社8・1%(7・2%)[5]一般販売業6・0%(5・5%)[6]病院診療所研究生1・9%(2・5%)[7]衛生行政0・9%(0・7%)[8]大学0・3%(0・6%)[9]卸売販売業0・5%(0・5%)””である。「就職せず」と「未定」は、合わせて7・7%であった。

 これを男女別にみると、女子は薬局勤務が最も多く30・4%、次いで進学21・7%、病院診療所薬局17・6%、企業8・5%(うち営業6・0%)、一般販売業5・9%、病院診療所研究生2・4%など。

 男子は進学が40・9%で最も多い。次いで薬局勤務22・0%、病院診療所薬局8・1%、企業7・5%(うち営業6・6%)、一般販売業6・2%、病院診療所研究生1・2%と続いている。

 また、国公私立の別にみると、いずれも進学、薬局勤務、病院診療所薬局勤務がトップ3。国立は進学が72・3%と圧倒的に多く、薬局7・5%、病院診療所7・0%。公立も同様の傾向で、38・5%と約4割が進学し、薬局21・0%、病院診療所15・5%と続く。それに対し私立の場合は、第1位が薬局勤務であり、3割を超えて30・5%に達している。次が進学の21・8%、病院診療所の15・1%と続く。薬局勤務者の約93・7%は私立大学卒業者である。

 さらに、国公私立別と男女別を組み合わせると、国立の男子では進学が81・1%と8割を超えた。また私立女子の場合は、薬局勤務が33・0%、病院診療所薬局勤務が18・3%に上る。

 初任給調査の結果では、平均は約23・2万円で前年の約24万円に比べ0・8万円、率にして3・5%減少した。このうち薬局は24・5万円、病院は21・3万円で前年と同程度であった。一般販売業は約25・7万円で前年(27万円)より1・3万円減少した。初任給が30万円を超えるものは、96098年は0・4%程度であったが、年々増加して前年は9・8%に達したが、今回は前年よりは減少して7・8%となった。一般販売業は前年とほぼ同程度であったが、30万円を超える高額の初任給の薬局が減少した。

■大学院修了者‐企業への就職率は激減

 一方、大学院修士・博士課程修了者の就職動向をみると、製薬企業(営業・学術、研究開発)への就職は、国立大学で95年の45・7%から32・9%(338人)に、私立大学は89年の64・2%から24・7%(298人)へと激減している。この点に関しては、大学院の定員が大幅に増加した結果、相対的に製薬企業への就職率が減少してきたためと分析。就職者の実数は、国公立大学が3000400人、私立大学が2500400人の間で、増減を繰り返しているという。

 病院薬剤部、薬局への就職については、00002年にやや停滞気味の時期があったが、05年より増加し、今回は国公立大学が病院薬剤部に180人、薬局へ58人、私立大学では病薬へ386人、薬局へ119人が就職した。この傾向は、医療薬学系大学院が増設され、薬剤師の仕事を志向する学生が増加してきたためと推定している。また、受け入れ側の病院薬局も、大学院修了者を積極的に採用し始めたことも影響していると考えられている。



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