ノバルティスファーマは、欧米で最近承認されたAII受容体拮抗剤(ARB)バルサルタンとカルシウム(Ca)拮抗剤アムロジピンを配合した降圧薬(海外名:エクスフォージ)の開発を日本で始めた。海外データを活用し、PIIIから着手したという。
配合している両剤は日本でもトップクラスの売り上げ実績がある。ノバルティスによると、日本での治験は最近始めたが、開始時期や試験の規模、申請見込み時期など詳細は明かしていない。
エクスフォージは昨年12月22日に米国で、今年1月18には欧州で承認され、配合しているアムロジピン(「ノルバスク」、ファイザー)の特許失効を待ち、年内中に発売の見通しだ。単剤治療で十分な血圧コントロールができない患者を対象にした二次治療薬として位置づけられる。
海外臨床試験では、5000人以上の患者を対象にした検討で、同剤を投与した患者の約9割が治療目標(拡張期血圧値90mmHg以下、または投与前より10mmHg以上低下)を達成した。
同社は日本ではほかにも、高血圧治療のための配合剤として、バルサルタンと利尿剤ヒドロクロロチアジドを組み合わせた薬剤の開発を進めており、現在PIIIにある。また、単味剤では血圧調節で中心的な役割を果たすレニンの働きを直接阻害することで血圧を下げる新しい降圧剤「SPP100」もPIIIにある。
日本では降圧剤の配合剤開発はARBと利尿剤が中心で、Ca拮抗剤との組み合わせでは、第一三共がアゼルニジピンとARBのオルメサルタンの配合剤のPIIIを進めている。アムロジピンとの配合剤は欧米のみで開発され、承認申請は米国で実施済み、欧州では今年中が計画されている。