日本薬学会の、2011年度学会賞受賞者が決定した。日本薬学会賞には堅田利明(東京大学)、濱田康正(千葉大学)の両氏が選ばれた。創薬科学賞にはシオノギ製薬の「ドリペネムの開発研究」が選ばれたほか、学術貢献賞1人、学術振興賞4人、奨励賞8人の受賞が決まった。授賞式は、来年3月28日から4日間、静岡市で開かれる日本薬学会第131年会の初日に行われる。
各賞の授賞テーマと受賞者は次の通り。
薬学会賞:応募4件、授賞2件
▽シグナル伝達系に介在する諸種のG蛋白質に関わる研究:堅田利明(東京大学大学院薬学系研究科教授)
▽有機合成における新規方法の開発とその有用天然有機化合物合成への応用:濱田康正(千葉大学大学院薬学研究院教授)
学術貢献賞:1件、1件
▽ナノマテリアルの次世代健康科学-衛生薬学の新たな研究領域の開拓:武田健(東京理科大学教授)
学術振興賞:8件、4件
▽合成小分子化合物による細胞の解析と制御:上杉志成(京都大学物質-細胞統合システム拠点教授)
▽蛋白質の翻訳後修飾の構造生物学研究:加藤晃一(自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター教授)
▽既存薬の作用分子機構の解明と創薬への展開:水島徹(熊本大学大学院生命科学研究部教授)
▽シトクロムP450と転写因子のマイクロRNAによる発現制御に関する研究:中島美紀(金沢大学医薬保健研究域薬学系薬物代謝化学研究室)
奨励賞:16件/8件
▽細胞内遺伝子・核酸の定量的・動的イメージングを基盤とした細胞内動態解析およびその制御に関する研究:秋田英万(北海道大学大学院薬学研究院助教)
▽リポソームDDSによる腫瘍新生血管傷害療法関する研究:浅井知浩(静岡県立大学薬学部講師)
▽準安定二座型配位子を用いた効率的アリール化反応の開発:栗山正巳(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科准教授)
▽金属酸化物を活用する新規酸化反応システムの開発と応用:濱本博三(近畿大学薬学部講師)
▽生活習慣病の新機構解明と次世代型治療薬の開発研究:細井徹(広島大学大学院医歯薬学総合研究科講師)
▽固体NMRによる天然物と標的部位複合体の構造解析:松岡茂(東京大学大学院薬学系研究科助教)
▽革新的分子イメージングへの応用を目的とした生体機能解析技術の開発:水上進(大阪大学大学院工学研究科准教授)
▽プロパルギル化合物を用いた新規分子変換反応の開発と展開:吉田昌裕(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部准教授)
創薬科学賞:1件、1件
▽カルバペネム系抗生物質「ドリペネム」の開発研究:井宗康悦(塩野義製薬株式会社創薬・疾患研究所疼痛フロンティア・化学部門長)、西谷康弘(同創薬・疾患研究所アドバイザー)、西野豊(同CMC技術研究所・製薬研究センター主任研究員)
教育賞:3件、2件
▽望月正隆(東京理科大学薬学部教授)
▽吉田武美(昭和大学薬学部教授)