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【薬食審医薬品第一部会】アルツハイマー型認知症治療薬2品目が登場‐新薬5品目を了承

2010年11月26日 (金)

 薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は24日、新薬5品目を審議し、第一三共とヤンセンファーマが申請した新たなアルツハイマー型認知症治療薬2品目の承認を了承した。これにより、国内にエーザイのアリセプトしかなかった同疾患に対する治療薬の選択肢が増えることになる。部会では、新規作用機序の第一三共の「メマリー錠」と、日本べーリンガーインゲルハイムの抗凝固薬「プラザキサカプセル」、希少疾病用医薬品の慢性特発性血小板減少性紫斑病治療薬「ロミプレート皮下注」(協和発酵キリン)が、12月下旬予定の薬事分科会で審議されることとなった。

 フェブリク錠10mg同20mg同40mg(帝人ファーマが製造販売):有効成分はフェブキソスタット。痛風、高尿酸血症を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。原体、製剤とも劇薬・毒薬に該当しない。

 既存のキサンチン酸化還元酵素阻害剤に比べ、尿酸値の降下作用が高く、使用に制限のあった腎機能障害患者への使用を容易にした。欧州や米国、韓国などで承認されている。

 メマリー錠5mg同10mg同20mg(第一三共が製造販売):有効成分はメマンチン塩酸塩。中等度および高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。原体、製剤とも劇薬に指定する予定。

 同剤は、NMDA受容体拮抗薬。NMDA受容体チャネルの活性化を抑制することで、神経細胞毒性を抑制し、症状の悪化を抑えるという新規の作用機序を有するため、既存薬のアリセプトとの併用が可能となった。アリセプトとの併用によって、漫然と投与されることがないよう、海外での使用状況や、効果を見ながら投与するなどの使用上の注意を、添付文書に記載することとなった。海外では68カ国で承認されており、標準的治療薬の一つとして位置づけられている。

 レミニール錠4mg同錠8mg同錠12mg同OD錠4mg同OD錠8mg同OD錠12mg同内用液4mg/mL(ヤンセンファーマが製造販売):有効成分はガランタミン臭化水素酸塩。軽度および中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。原体は毒薬、製剤は劇薬に指定予定。

 アセチルコリンエステラーゼ阻害薬で、アリセプトと同様の作用機序を持つ。海外では71カ国で承認されており、標準的治療薬となっている。漫然と投与されることのないよう、効果を見ながら投与することを添付文書に記載することとなった。

 プラザキサカプセル75mg同110mg(日本ベーリンガーインゲルハイムが製造販売):有効成分はダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩。非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中、および全身性塞栓症の発症抑制を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。原体、製剤とも劇薬・毒薬に該当しない。同剤は、血栓の形成に関与するトロンビンの活性を特異的に阻害する新しい作用機序を持つ。米国などで承認されている。

 ロミプレート皮下注250μg調製用(協和発酵キリンが製造販売):有効成分はロミプロスチム。慢性特発性血小板減少性紫斑病を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間10年。原体、製剤とも劇薬・毒薬に該当しない。

 同剤は、トロンボポエチン受容体作動薬で、類薬はグラクソ・スミスクラインのレボレード錠。希少疾病用医薬品のため、全例調査の承認条件がついた。海外11カ国で承認されている。



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