スイッチOTC薬市場の拡大に寄与すると期待されていた、持田製薬の高脂血症治療薬「エパデール」の転用は、次回の薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会で再審議されることになった。「エパデール」のスイッチOTC薬については既に、大正製薬や日水製薬などが、持田製薬と販売契約を締結している。
「エパデール」の有効成分は、イコサペント酸エチル。効能・効果は、半年に1回のペースで定期健康診断を受診し、2回連続して治療を必ずしも必要としない境界領域と指摘された人の中性脂肪値の回復。
医薬品の購入者が薬局に健康診断の結果を持参すると共に、薬剤師がチェックリストを活用し、禁忌や運動療法を行っているかなどを確認した上で、販売することを想定していた。
しかし、部会では複数の委員から、「健康診断の結果では信頼性が不十分」など、医師を介さない服薬を懸念する意見が相次いだという。
そのため厚生労働省は、境界領域かどうかの判断に、医師が関与する手順を整理し、次回の部会で改めて審議する。
またこの日の部会で、日本べーリンガーインゲルハイムの、赤ブドウ葉乾燥エキス混合物を有効成分とする静脈血流改善薬「アンチスタックス」、佐藤製薬のクロトリマゾールを有効成分とする膣カンジダ治療薬「エンペシドL」「エンペシドレディ」を審議し、承認を了承した。いずれも12月の分科会に報告される。
アンチスタックスは、医療用医薬品として承認された新規有効成分が直接、一般用医薬品として承認されるダイレクトOTC薬。効能・効果は、軽度の静脈還流障害による、足(ふくらはぎ、足首など)のむくみ、むくみに伴う足のだるさ、重さ、疲れ、つっぱり感、痛みの改善。
用法・用量は、成人(20歳以上)1回2カプセルを1日1回、朝服用する。海外20カ国以上でOTC薬として承認されている。
エンペシドの効能・効果は、膣カンジダの再発。過去に医師の診断・治療を受けた人が対象。用法・用量は、成人(15歳以上60歳未満)1日1回(できれば就寝前)、1錠を膣深部に挿入する。6日間続けて使用するが、3日間使用しても症状の改善がみられないか、6日間使用しても症状が消失しない場合は、医師の診療を受ける。
一般用の膣カンジダ治療薬としては、イソコナゾール硝酸塩、ミコナゾール硝酸塩、オキシコナゾール硝酸塩に続き4番目となる。