製薬企業向けに営業支援サービスを手がけるエムスリーは、英調査会社「EMSリサーチ」を買収した。買収額は、最大で500万ポンド(約6億6000万円)。既にエムスリーは、日本、米国、アジアに広がる医師の調査ネットワークを持っているが、ヨーロッパの全地域をカバーするEMSを買収することで、医療分野でグローバルな調査体制を構築し、製薬企業からの受注拡大につなげたい考え。
エムスリーは、日本国内だけでなく、米国・アジア地域で医療分野を中心とした調査サービスを展開。2009年度の調査関連売上高は13億円で、前年比30%以上の伸びを示している。
製薬関連の市場調査はグローバル化が進んでおり、アジア、北米、欧州にまたがる調査が増加する傾向も見られている。そこでエムスリーでは、ヨーロッパ全地域で調査事業を展開し、約30万人の医師ネットワークを持つEMSの買収を決めた。
買収によって、ヨーロッパ地域が新たな調査エリアとして加わり、調査対象となる医師数が100万人に増強される。今後、医療分野の調査サービスを強化し、製薬企業からさらなる受注拡大を目指すことにしている。また、エムスリーのオペレーションと融合することで、コスト構造の改善にもつなげたい考えだ。
将来的には、製薬企業のマーケティング支援サービスとして、国内で提供中の医療サイト「MR君」の欧州展開を進め、サービスを強化したいとしている。
EMSの09年度売上高は、390万ユーロ(約5億円)。