日本製薬工業協会は、東証1部に上場する製薬協加盟26社の2011年3月期中間決算(連結)の概況をまとめた。売上高は、国内の薬価改定に加え、円高や一部主力品の特許切れのマイナス影響があったものの、海外企業の買収効果で微増収となった。利益面では、主力品の売上減に加え、買収に伴う償却費を含めた販管費等が増加し、営業利益、経常利益、純利益はいずれも減益となった。
売上高全体は、前年同期比1・7%増の3兆8100億円。増収17社、減収9社となった。国内売上は、主力品の新製品、新薬創出加算対象品目を中心に増加したが、薬価改定で長期収載品目が大幅に減少した影響が大きく、1・1%増の2兆4327億円と微増にとどまった。
一方、海外売上は、円高と主力品の特許切れの影響で大幅な売上減となったが、海外企業の買収効果でカバーし、2・6%増の1兆3772億円と増収を確保。海外売上高比率も0・3ポイント増の36・1%と伸ばした。
営業利益は、原価率が上昇したことに加え、企業買収に伴う償却費など販管費が増加した結果、4・4%減の7025億円。増益13社、減益13社となった。また経常利益は、6・9%減の7014億円、純利益は、買収企業の統合費用などを特別損失として計上した影響で、12・2%減の4272億円と二桁の減益となった。
11年3月期の通期見込みは、引き続き円高と新たな主力品の米国特許切れ、販管費の増加を予想し、売上高は1・7%増の7兆6152億円、経常利益は10・6%減の1兆1880億円と予測している。