大日本住友製薬の多田正世社長は10月29日、大阪市で開いた中間決算説明会で、海外戦略品と位置づける統合失調症治療薬「ラツーダ」が、米国で承認されたことに言及。「正直言って、ホッとしている。自信を持って進めてきたが、先に大きな買い物をして、既に米国での体制を構築していただけに、安堵した」と率直な思いを語った。その上で、「ラツーダの特許が切れる2018年までに、次の柱となる複数製品を米国に持ち込みたい」とし、「できるだけ早期にパイプラインの中から次の候補品を決定し、集中的に人員や資金を投入することで海外進出を加速していく」との方針を示した。
多田氏は、ラツーダの承認について、「申請から10カ月で承認を受け、早かったという印象」と感想を述べた。その要因として、「ラツーダの有用性と安全性について、初期段階からFDAに正しく理解してもらった」と指摘した。
ラツーダの米国販売は、11年第1四半期を予定している。販売体制としては、サノビオンのMR70人に、新規採用の250~260人を加えた300人強で、情報提供活動を展開する方針。「今後、競合品の統合失調症治療薬の特許切れが相次ぐため、専門知識を持った優秀なMRを新たに採用できた」と話し、米国でのラツーダの価値最大化に向けて、意気込みを示した。
その上で、多田氏は、「今後の海外展開を当初の計画通り進めることができる」と強調。「ラツーダの特許が切れる18年までに、次の戦略品を複数、米国に持ち込みたい」と述べ、脳梗塞治療薬「SB623」を含めたパイプラインの中から、次の候補品を決定し、集中的に人員や資金を投入するとした。