大日本住友製薬は29日、海外戦略品と位置づける統合失調症治療剤「ラツーダ」(一般名:ルラシドン塩酸塩)について、米子会社サノビオンがFDAから販売許可を取得したと発表した。2011年第1四半期にも米国発売を開始する予定で、ラツーダの投入を契機に海外進出へ大きな一歩を踏み出す。
ラツーダは、同社がグローバル展開の足がかりと位置づけ、大型化を見込んでいる海外戦略品。昨年12月にFDAにラツーダの承認申請を行い、今年10月末に審査が終了することになっていた。一方、ラツーダの米国上市に向け、昨年9月に米セプラコールを買収し、米国販売網を獲得。11月には「海外事業本部」を新設し、海外展開に向けた準備を進めてきた。
ラツーダの販売許可取得を受け、同社は11 年第1四半期にも米国での発売開始を予定しており、MR300人体制で販売活動を推進していく計画だ。
グローバル展開の先兵役となるラツーダの米国上市に見通しが立ったことで、同社は来年から海外進出へ本格的に踏み出す。中期経営計画では、14年度に海外売上高比率50%を打ち出しており、今後ラツーダの米国における成否がグローバル展開のカギを握ることになる。