武田薬品は、経口抗Xa阻害薬「TAK‐442」の海外第II相試験で、有効性に関する主要評価項目を達成できなかったとの速報結果を発表した。現在、試験結果の詳細は解析中だが、同社は早期に「TAK‐442」の今後の開発方針を決定するとしている。
「TAK‐442」の海外第II相試験は、欧米の急性冠症候群(ACS)患者2753人を対象に、複数の用量で安全性・忍容性・有効性を評価した多施設二重盲検プラセボ対照比較試験。安全性の主要評価項目として「24週間の治療期間中の大出血発生率」、有効性では「複合心血管イベント発生率」を設定し、標準治療であるアスピリンなどの抗血小板薬を投与した後、プラセボ群と「TAK‐442」の複数用量群に割り付け、比較検討を行った。
速報結果によると、「TAK‐442」群はプラセボ群に対し、心血管イベント発生率の明らかな減少傾向と用量反応性が認められず、有効性の主要評価項目を達成できなかった。一方、安全性については、プラセボ群に対し、「TAK‐442」の高用量群で大出血の発生率が高い傾向が示されたとしているが、忍容性を含め安全性の詳細については明らかにされていない。
「TAK‐442」は、武田が創製した経口抗Xa剤。現在、国内ではACS適応で第II相段階にある。