富山化学は24日、抗インフルエンザウイルス剤のT-705を国内で臨床試験に着手した。パンデミックが懸念されているH5N1型トリインフルエンザウイルスに対する治療薬として期待されている。
H5N1型トリインフルエンザウイルスに対する治療法が確立されていないうえ、耐性の発現も懸念されていた。T-705は、現在のインフルエンザ治療に用いられているノイラミニダーゼ阻害剤とは異なり、インフルエンザウイルスの増殖に必要なRNAポリメラーゼの働きを阻害する新しい作用を持つ。
非臨床試験では、マウスのトリインフルエンザウイルス感染モデルに対して、既存のインフルエンザ治療剤に比べ、高い治療効果を示したという。
2月には米国でも臨床試験を開始する計画だ。