薬事・食品衛生審議会安全対策調査会は、鎮痛消炎薬「ケトプロフェン外用剤」について、欧州に比べて光線過敏症の副作用報告が少ないことを理由に、一般用の国内販売を継続する方針を固めた。
欧州では、重篤な光線過敏症の発現や、サンスクリーン等に含まれるオクトクリレンとの共感作によって、光線過敏症リスクが高まることが問題となり、医療専門職による説明が必要だとし、医療用に限定されている。
調査会では、ケトプロフェン外用剤のうち、貼付剤についての製造販売後調査結果を受け、リスク区分の検討を行った。貼付剤は、一昨年度末まで製造販売後調査期間中だったため、現在は薬剤師による情報提供が必須の「第1類薬」となっている。その結果、重篤な副作用が発生していないことから、規制を緩めて問題ないと判断。「指定第2類」にすることで合意した。
ただし、メーカーが外箱表示を目立つようにしたり、消費者向けリーフレットを作成して、光線過敏症の注意を喚起する。
また、第2類薬として流通しているローション剤やクリーム剤についても、委員の提案で貼付剤と横並びで管理することとなった。医療用ローション、クリームで、重篤な光線過敏症例が一定程度報告されており、一般用でも紫外線暴露の防止を患者に周知する必要があるためだ。そのため、一般用のローション、クリーム剤についても、「指定第2類」に統一するこで合意した。リスク区分を引き上げるのは、新販売制度開始から初めて。
なお、ケトプロフェン外用剤については、医療用、一般用とも外用剤の添付文書を改訂し、光線過敏症やオクトクリレンとの併用によるリスクを周知することも確認した。
ラナコナゾールが指定2類、一般用漢方追加23処方は2類
このほか会合では、製造販売後調査などの理由で、現在は第1類薬になっている6件のリスク区分も議論。その結果、アレルギー性鼻炎や皮膚症状の改善薬「アゼラスチン」、滋養強壮保健薬の「アデノシン三リン酸」、鼻炎用内服薬「ケトチフェン(点鼻剤を除く)」の3件を第2類薬、外用の口内炎治療薬「トリアムシノロンアセトニド」、水虫等治療薬「ラナコナゾール」の2件は指定2類薬とすることで一致。女性の毛髪用薬「ミノキシジル」は、男性用と同様に第1類薬へ据え置く。
さらに、一般用漢方製剤承認基準の4月改正で追加された23処方を、第2類薬とすることも決めた。
いずれのリスク区分の見直しも、パブリックコメント手続きを経て、親組織の医薬品等安全対策部会で審議した上で告示改正する。