日本医薬品登録販売者協会の3番目の県支部として、「神奈川県登録販売者協会」が設立した。8日に横浜市の新横浜フジビューホテルで設立総会が開催され、初代会長には石田岳彦氏(CFSコーポレーション社長)が就任した。設立総会には、神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市からそれぞれ担当官が来賓として出席し、協会の研修等への取り組みに期待を寄せた。
改正薬事法が施行されてから約1年4カ月が経過し、全国では約8万人の登録販売者が登録されているが、神奈川県では今年9月末時点で、約4400人が登録している。
設立総会で石田会長は、「登録販売者試験に合格しからといって、医薬品販売に必要な専門知識やサービスが行き届くかというと、不十分だと思う。各社とも研修の強化に取り組んでいるが、さらに登録販売者研修等を推進するためには、行政と一体となって情報を共有し、必要な対策を講じていくことが不可欠だ」と指摘。「改正薬事法の趣旨を徹底し、安心・安全な一般用医薬品の提供を通じて、地域の人々の健康に貢献していくことが求められているが、行政との迅速な指導・連絡体制を整備するために、神奈川県内でドラッグストア事業、薬局事業を展開する、日本チェーンドラッグストア協会加盟社が中心となって、神奈川県登録販売者協会を設立した」と述べた。
神奈川県登録販売者協会の役員には、石田会長のほか、副会長に小田兵馬(小田薬局社長)、亀ヶ谷邦博(カメガヤ社長)の2氏、監事に曽我寿裕氏(湘南薬品社長)が就任した。
設立時の会員(法人会員)は20社。「神奈川県内で勤務する登録販売者の資質向上と地位の向上を図り、登録販売者の総合的支援を通じ社会に貢献すること」を目的に掲げている。それを実現するために、「登録販売者の資質向上と資質標準化を図る継続研修の開催」を、中心的な事業として行っていく考えだ。そのほか、▽神奈川県等行政との連携と協力体制の構築▽登録販売者の活用と地位向上のための意見具申▽医薬品販売等の改善点等の意見具申▽日登協および関係団体主催各事業への参加‐‐などの活動も進めていく。
設立総会には来賓として、神奈川県保健福祉局生活衛生部薬事課薬事指導グループの佐野晃氏(グループリーダー)らが来賓として出席した。
佐野氏は、「登録販売者制度は始まったばかりだが、登録販売者の資質を向上させるということが、新販売制度の定着と認知につながり、県民の信頼につながっていくと強く感じている」と述べた。その上で、「神奈川県登録販売者協会には、県民から信頼される登録販売者としての資質向上など、より良い一般用医薬品の販売に向けた取り組み、セルフメディケーション推進の拠点としての役割を推進していただきたい」と期待を寄せた。