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【未承認薬検討会議】公知申請の9成分10件、事前評価後に保険適用へ

2010年10月07日 (木)

 厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は6日、適応外薬9成分10件の適応拡大に関する公知申請の該当性報告書をまとめた。これにより、会議を通じて公知申請へ進むのは累計で17件になる。今月末に予定する薬事・食品衛生審議会医薬品部会の事前評価を通過すれば、薬事承認を待たずに保険適用される。

 会議は、今回の審議で公知報告書の取りまとめを見送った、エタンブートル塩酸塩とリファンピシンを含む17件について、追加試験や公知申請の該当性を、引き続き領域別専門作業班で検討し、11月の次回会合で一定の結論を出す予定。ただし、国内における使用実態の調査等が必要なものもあるため、一部は保留する可能性がある。

 この日の会合では、医療上の必要性について結論が出ていなかったもののうち、未承認薬2件と適応外薬23件の計25件について、国内導入を促すことも決めた。積み残しの62件についても、次回で可能な限り検討を終える見通しで、その後、企業の意見を聴いた上で、厚労省から第二段の開発要請を行うことになる。

 また、5月の第一段要請の対象案件の進捗状況も確認し、8月の前回会合以降、新たに7件が薬事承認を取得し、6件が治験届を提出したことなど、厚労省から報告を受けた。公知申請の時期が新薬創出・適応外薬解消等促進加算の条件である「要請から6カ月以内」を超え、12月になる案件もあったが、行政側の持ち時間を考慮して、「概ね順調に推移している」と評価した。

 さらに、製造元のサノフィ・アベンティスの疑義を踏まえ、開発要請を保留していた「エノキサパリンナトリウム」について、国内外の医療環境の違いを踏まえ、開発要請を行わないことで合意した。日本心血管インターベンション治療学会が、急性冠症候群に対する待機的経皮冠動脈インターベンション施行時の使用を追加するよう要望していたが、同学会に改めて見解を聴いたところ、「この薬剤がないと、日常臨床に大きな支障がある状況にはない」との認識が示されたことなどを考慮した。

公知申請案件の概要

 ▽3‐ヨードベンジルグアニジン(123I)注射液=褐色細胞腫瘍の診断を追加
 ▽バルプロ酸ナトリウム=片頭痛の予防を追加
 ▽ビソプロロールフマル酸塩=慢性心不全を追加
 ▽べラパミル塩酸塩=上室性の頻脈性不整脈に対する小児適応を追加
 ▽乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン=D(Rho)陰性の妊娠中感作抑制を追加
 ▽アザチオプリン=ステロイド治療抵抗性全身性エリテマトーデス、顕微鏡的多発血管炎およびウェゲナー肉芽腫症を追加
 ▽エプタコグアルファ(活性型)(遺伝子組み換え)=血小板輸血不応のグランツマン血小板無力症を追加
 ▽レボカルニチン塩化物=カルニチン欠乏症を追加
 ▽ビンブラスチン硫酸塩=ランゲルハンス細胞組織球症を追加



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