アステラス製薬は、経口Xa阻害剤「ダレキサバン」(YM150)について、術後静脈血栓塞栓症(VTE)予防の適応で国内承認申請を行った。VTE予防を適応症とする経口Xa阻害剤の申請は、第一三共が開発したエドキサバンに次いで、国内で2番目。アステラスは、2014年度を最終年度とする中期経営計画の半ばには、上市したいとしている。
ダレキサバンはアステラスが自社創製し、大型化を期待する抗凝固薬。血液凝固カスケード中の活性化血液凝固第X因子を選択的に阻害することで、トロンビン生成を抑制し、血栓症を予防する。グローバル戦略製品として開発を進めてきたが、日本で先行して申請を行うことになった。
膝関節・股関節全置換術施行患者を対象とした二つの国内第II/III相試験では、プラセボ群に対するVTE予防効果が確認されている。一方、海外では、アジア、欧州、米国でVTE予防を対象とした第II相試験を実施中。
同社は、VTE予防のみならず、心房細動(AF)患者を対象とした脳梗塞予防、急性冠症候群(ACS)患者を対象とした虚血性イベント予防の適応で、ダレキサバンのグローバル開発を進めている。現在、AFの適応で日米欧のグローバル後期第II相試験が進行中。ACSの適応でも欧州が後期第II相試験段階にある。