厚生労働省は、同省や国立病院機構に在職歴のあるOB29人が、国内の主要製薬会社15社に再就職していたとの調査結果をまとめ、公表した。OBの数が最も多かったのは、ファイザーとグラクソ・スミスクラインの4人。長妻厚生労働相は、製薬企業への再就職の自粛を徹底するよう指示した。
調査は、長妻厚労相の指示で行われたもの。日本国内の主要な医薬品メーカー(2008年度の国内売上げ上位30位)の協力を得て、医薬品メーカーに在籍する者のうち、4月1日現在で、厚労省または国立病院機構に在職歴のあった職員の実態を調べた。
その結果、29人のうち、本省内部部局の職員7人、国立病院の医師等12人、施設等機関の研究員等(検疫所、国立感染症研究所)3人が製薬企業に再就職していることが判明。残りの7人については、退職時の所属について回答がなかった。
また、退職時の年齢は、20歳代が2人で30歳代が12人、40歳代3人、50歳代2人だった。残りの10人については回答がなかった。
この結果を受け長妻厚労相は、1996年5月31日に定めた、「製薬企業への再就職の自粛」を再徹底させるよう指示。
文書では、▽事務次官、厚生労働審議官、官房長、総括審議官および医薬食品局の指定職を経験した者が、製薬企業の役員に再就職すること▽その他の指定職以上の地位を経験した者が、離職後3年以内に製薬企業の役員に再就職すること▽本省課長以上の経験のある者が、離職後2年以内に製薬企業に再就職すること――について自粛を促している。