厚生労働省は、特定疾患のパーキンソン病と潰瘍性大腸炎に対する公費負担に関し、比較的軽度な患者を助成対象から外すという方針を撤回し、来年度も現行通り継続することに決めた。自民・公明両党の要請を受けて変更したもの。
特定疾患治療研究事業では、45特定疾患について医療費の公的助成が行われている。しかし、このうち患者数が5万人を大幅に超えた潰瘍性大腸炎とパーキンソン病は、公的助成の要件である希少性を満たさないとの理由から、厚生労働省が見直しを進めてきた。
昨年12月11日の特定疾患対策懇談会では、潰瘍性大腸炎については軽症者を、パーキンソン病では重症度3度以下の患者を、それぞれ対象から外す方針がまとめられた。この方針通りに実行されれば、パーキンソン病で約半数、潰瘍性大腸炎で約3分の2の患者が助成対象から外れるため患者団体などが強く反発。これを受けて自公両党の厚生労働部会長が、現行対象者への医療費助成を継続するよう石田祝稔厚労副大臣に申し入れ、継続が決まった。
今回の措置について厚労省健康局疾病対策課は、「与党の要請を重く受け止めたが、対象患者見直しの時期は当初から設定しておらず、見直しの方針自体を撤回したわけではない。他の重篤疾患も視野に入れ、公平性を確保する必要がある」とし、次年度以降も対象疾患範囲の再設定に向けて、議論を続けていくことを明らかにした。
- パーキンソン病・潰瘍性大腸炎‐軽症者を特定疾患から除外
2006年12月13日