医薬品企業法務研究会の国際問題研究部会は、ジェネリック(GE)医薬品の普及と課題について研究報告をまとめ、今後、国内の先発薬メーカーや外資系GE薬メーカー、異業種からの市場参入が本格化すると指摘した。
研究報告では、今後20年の間にGE薬が普及すると仮定。GE薬の使用促進によって先発薬市場は縮小し、マーケティングの強化といった対抗策を講じても限界があることから、先発薬メーカーのGE薬市場参入が進むと予測。今後は研究開発力を強化するためのM&Aだけでなく、GE薬市場進出のためのM&Aが展開される可能性が高いとの見方を示した。
先発薬メーカーとGE薬メーカーでは、研究開発部門や営業部門の規模が異なるため、直ちに方向を転換することは難しいとしながらも、企業再編の一環として、安定性が見込めるGE薬メーカーにシフトすることは、可能ではないかとの見方である。
また、外資系GE薬メーカーにとっては、世界第2位の市場規模を誇り、GE薬の使用促進策が講じられている日本の医薬品市場は、大きな魅力になると説明した。
さらに、GE薬は先発薬に比べて利益率は低いものの、小規模の設備投資である程度の収益が見込めることから、化学品メーカーや調剤薬局などの異業種が市場参入する可能性もあるとした。