TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

【厚労省未承認薬・適応外薬検討会議】適応外薬5成分の公知申請書を確認‐企業「開発工程表」も点検

2010年08月05日 (木)

 厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(座長:堀田知光国立病院機構名古屋医療センター院長)は3日、厚労省が開発要請していた適応外薬のうち、ワルファリンカリウム、シクロホスファミド水和物、カペシタビン、ゲムシタビン塩酸塩、ノギテカンについて、公知申請の妥当性報告書をとりまとめた。また、追加治験が必要なものを含めて、全ての要請案件について、企業が提出した開発工程表を点検し、「全体的によく対応していると評価できる」(堀田座長)と結論づけた。

 会議は前回会合で、未承認薬・適応外薬109件の国内導入を促すことを決定した。これを受けて厚労省は5月21日、企業から疑義が出た1件を除く91件の開発を企業へ要請すると共に、国内にライセンスを持つ企業のない、17件の開発企業の公募を開始した。

 その後、91件の要請品目については、6月21日までに該当する全ての企業が、工程表と併せて公知申請の該当性、追加治験の妥当性に関するレポートを提出した。これを会議専門作業班(WG)が評価した結果、公知申請が8件、承認申請中を含めて既に開発に着手しているものが42件、追加治験が必要なものが13件で、残る28件は現在も公知申請の妥当性を検討している。

 この日の会合では、公知申請8件6成分(シクロホスファミド1成分で3件)の報告書を審議し、レボカルニチン塩化物を除く7件5成分が了承に至った。今後は、薬事・食品審議会の事前評価を経て、シクロホスファミド水和物(塩野義製薬のエンドキサン)、ノギテカン(日本化薬のハイカムチン)は9月に、カペシタビン(中外製薬のゼローダ)、ゲムシタビン塩酸塩(日本イーライリリーのジェムザール)、ワルファリンカリウム(エーザイのワーファリン)は11月に公知申請される予定だ。

 また、新薬創出・適応外薬解消等促進加算で求められている「申請から6カ月以内の公知申請、1年以内の治験着手」への対応状況を、開発工程表に基づいて確認した。

 その結果、既に承認申請済み13件、治験届提出済み25件と、WGの検討を終えて6カ月以内の公知申請のメドが立っている7件、1年以内に治験届を提出する予定の14件は、いずれも加算の条件をクリア。さらに、他の効能の治験を先行させた上で公知申請へつなげる品目や、企業は公知申請を希望したがWGで治験が必要と判断し、WGで検討中のため評価を保留したものもあるが、問題となる事例はなかった。

 このほか会議は、公募対象17件のうち、前身の未承認薬使用問題検討会議から引き継ぎ、昨年度の補正予算で造成した基金から補助を受けることができる、「フェニル酪酸ナトリウム」の開発企業を、シミックにすることを決定した。



‐AD‐

この記事と同じカテゴリーの新着記事

HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術