マツモトキヨシホールディングス、ローソンの両社は17日、ドラッグストア「マツモトキヨシ」と、生鮮コンビニ「ローソンストア100」の共同店舗を、浦安市内にオープンした。マツキヨHDとローソンは昨年8月、新業態店舗の開発・展開で業務提携を行い、付加価値と専門性の高い商品・サービスの提供を目指して、人材交流や商品供給などの取り組みを行ってきた。4月には、共同出資による新業態店舗運営の合弁会社を、5月をメドに設立すると発表したが、改めて収益性などを検証するため、設立は先送りすることとした。今回の共同店舗は、将来の新業態店舗に先がけた実験店舗で、マツキヨHDでは実験店舗での結果から、合弁会社設立を含めて新業態の開発を再検討していく考え。
昨年締結された業務提携では、マツモトキヨシHDの持つ医薬品・化粧品販売のノウハウ、ローソンの持つ食品・各種サービスのノウハウなど、両社独自の専門領域である商品やサービスを融合。地域顧客のニーズや市場環境を取り入れた独自の業態を開発することで、新規顧客を獲得し、事業領域の拡大を図ることが目指された。
既に昨秋からは、両社の社員が互いに出向し、各社の専門ノウハウ習得を目的とした人材交流を開始。ローソンの一部店舗では、一般用医薬品(第2類、第3類)の販売も始まった。5月に設立を予定していた折半出資の合弁会社(エムケイ・エル)では、今年度上期中に関東圏で1号店を開設し、今年度中に5店舗、12年度までの3カ年で約100店舗の新業態店舗を出店する計画だった。
17日にオープンした共同店舗は、既に今月4日にオープンしていた「マツモトキヨシ浦安東野店」(千葉県浦安市)の店内を改装し、生鮮コンビニの「ローソンストア100浦安東野店」を組み込んだ。マツキヨの店舗は、午前10時から深夜12時までの営業で、売り場面積は約630m2、第1類~第3類までの一般用医薬品、化粧品、日用品、雑貨、食品など約1万9000アイテムを取り扱う。レジカウンターは、それぞれ別となっている。
一方、ローソンストア100は、生鮮食品、惣菜、日用品などの商品を、ほぼ全品100円(税込み105円)で販売するという新しい小売業態。スーパーの幅広い品揃え、コンビニの利便性、100円均一ショップの分かりやすさという、3業態の利点を徹底的に追求した店舗として、出店を拡大させている。ローソンストア100浦安東野店は24時間営業で、売り場面積約112m2、弁当、おにぎり、調理麺、ベーカリー、生鮮食品、雑貨など約4000アイテムを取り扱う。
今回の共同店舗は、郊外の住宅立地に広い駐車スペースを有し、マツキヨ、ローソンストア100のそれぞれの店舗が持つ強みと専門性を生かした、ワンストップショッピングが可能。ヘルス&ビューティケア関連商品と生鮮食品とが一緒になったことで、利便性の大きいことが他店にない特徴といえる。
両社では、共同キャンペーン等の実施による顧客サービスの充実など、浦安東野店での様々な取り組みを通して、「商品・顧客動向の実地検証結果や、顧客の商品やサービスへの要望、店舗運営のノウハウを“新業態店舗”の開発に生かしていきたい」とし、浦安東野店を皮切りに、今年度中に様々な形態の実験店舗を順次出店していく計画。