日本赤十字社は16日の採血分から、全血採血由来の輸血用血液製剤11品目(表[PDF])について、製造工程で白血球除去を実施し、順次供給する。これにより、日赤が製造する全ての輸血用血液製剤は白血球除去がされることになる。
輸血用血液製剤の安全性確保に関しては、薬事・食品衛生審議会血液事業部会がまとめた総合対策報告書の中で、白血球に起因する副作用や感染症を減少させるため、白血球除去を実施すべきとされている。また、昨年10月の生物学的製剤基準の改正で、白血球の大部分を除去することとされため、日赤では製造工程において白血球除去を実施することになっていたもの。
日赤ではこれまで、成分採血由来の血小板製剤について2004年10月から、新鮮凍結血漿は昨年9月から、白血球除去製剤の供給を行っている。今回、全血採血由来(200mL、400mL)の製剤でも、白血球除去が実施されることになる。
日赤によると、既存製剤の供給は順次停止するが、製剤によって有効期間や供給量、在庫等が異なるとしており、特に新鮮凍結血漿については6カ月程度貯留保管しているため、貯留保管が終了し供給開始の準備が整う今年8月頃までは、白血球除去を実施していない既存製剤を供給することになるという。
なお、白血球除去製剤は貯法、有効期間、効能・効果、用法・用量は既存製剤と同じだが、新鮮凍結血漿は内容量が既存製剤の1.5倍に当たる120mL、240mLとなっており、医療機関に対し過剰投与の注意を呼びかけている。