フランスの企業信用情報企業コファスはこのほど、2007年の産業別格付け予測を発表した。製薬産業では、世界と北米が現在のAからA”へ格下げされたが、日本のB+、西欧のA”、新興アジア諸国のAは変更されなかった。製薬市場は、持続的な成長を続け07年も5%伸長が見込まれているものの、ランクを下げた主な要因としては、医療費関連支出の抑制、先進諸国でのジェネリック医薬品による競争を挙げている。特に、最大市場である北米では、メディケア計画での価格引き下げを再協議する見通しであることが大きく影響している。
ジェネリック医薬品の強力な伸展により、新薬開発企業もジェネリック医薬品製造業者との提携や買収の可能性も指摘し、合併や資産処分の傾向を予測している。同社では、これらの環境から、「製薬産業ではマージンが厳しく抑制され、最も脆弱な企業の支払い能力が危険レベルに達する可能性がある」と指摘している。
全世界5000万社の企業信用情報を取り扱っているコファスは、取引信用保険、企業情報・格付け、売掛債権管理、ファクタリングの4ビジネスを中心に、企業の貿易リスク軽減に特化したサービスを提供している。