厚生労働省医薬食品局は、「医薬品・医療機器等安全性情報」(No.270)で、ノバルティスファーマの鉄キレート剤「デフェラシロクス」(商品名:エクジェイド懸濁用錠125mg、同500mg)の使用上の注意を改訂したことを紹介した。
同剤の投与によって、重篤な肝障害、腎障害、胃腸出血が発現し、死亡に至った例も報告されているとして、「警告」欄に「投与開始前、投与中は定期的に血清トランスアミナーゼや血清クレアチニン等の血液検査を行うこと」と注意喚起した。
また、「禁忌」の項に、▽高度の腎機能障害のある患者▽全身状態の悪い高リスク骨髄異形成症候群の患者▽全身状態の悪い進行した悪性腫瘍の患者--を追記し、関係者に注意を促した。
同剤は、2008年6月の販売開始から10年4月までの間に、重篤肝障害6例、重篤腎障害17例(死亡2例)、胃腸出血3例、皮膚障害3例が、因果関係が否定できない副作用として報告されている。年間使用者数は09年で約2300人。
利尿剤の「フロセミド」(商品名:サノフィ・アベンティスのラシックス細粒4%ほか)は、「重大な副作用」の項に「中毒性表皮壊死融解症」と「多形紅斑」を追記した。
同剤は、65年に販売を開始しているが、07年4月から10年3月までの直近3年間において、2例の中毒性表皮壊死融解症の副作用報告があった。年間使用者数は09年で約266万人。