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【薬食審薬事分科会】オレンシア、フォルテオなど了承‐14新薬を今月にも正式承認

2010年07月01日 (木)

 薬事・食品衛生審議会薬事分科会は6月29日、新たな治療ターゲットを持つ抗リウマチ薬「オレンシア」、国内初の骨形成促進タイプの骨粗鬆症治療薬「フォルテオ」の2品目を審議・了承すると共に、新たな選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)「ビビアント」、サリドマイド誘導体の「レブラミド」など13品目について報告を受けた。オーファン指定を受けているレブラミドについては、事前に書面で分科会の確認を得た上で、6月25日に厚生労働省が承認している。残る14品目は、今月にも正式承認される見通し。

「アブラキサン」承認手続きへ

 この日の部会では、議題となった15品目以外に、医薬品第2部会の了承後に特定ロットへの異物混入が発覚し、承認が先送りされていた抗癌剤「アブラキサン点滴静注用」(大鵬薬品が製造販売、有効成分はパクリタキセル)の取り扱いを厚生労働省が報告。医薬品医療機器総合機構による国内外の製造所に対するGMP調査で、品質上の懸念が払拭されたため、時期は流動的だが、正式承認の手続きに入ることになった。

審議品目

 オレンシア点滴静注用250mg(ブリストル・マイヤーズが製造販売)=アバタセプト(遺伝子組み換え)を有効成分とする生物製剤。効能・効果は、既存治療が効果不十分な関節リウマチ。抗原提示細胞に結合することで強刺激シグナルを阻害し、関節リウマチ発症に関与するT細胞の活性化、サイトカイン産生を抑制する新作用機序を持つ。

 フォルテオ皮下注カート600μg同皮下注キット600μg(日本イーライリリーが製造販売)=有効成分はテリパラチド(遺伝子組み換え)。効能・効果は、骨折の危険性の高い骨粗鬆症。1日1回の頻度で間欠的に投与すると、前駆細胞から骨芽細胞への分化促進や骨芽細胞のアポトーシス抑制によって骨梁、皮質骨の内外膜で骨芽細胞機能を活性化し、骨新生を誘発する新作用機序を持つ。

報告品目

 タケプロンカプセル15同OD錠15(武田薬品が製造販売)=有効成分はランソプラゾール。新たな効能・効果として、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍と十二指腸潰瘍の再発抑制を追加する。

 ミカムロ配合錠AP(日本ベーリンガーインゲルハイムが製造販売)=有効成分はテルミサルタンとアムロジピンベシル酸塩で、効能・効果は高血圧症。ARBとカルシウム拮抗薬の組み合わせとしては、レザルタス、エックスフォージ、ユニシアと同じタイプ。配合割合はテルミサルタン40mg、アムロジピン5mg。

 トラマールカプセル25mg同50mg(日本新薬が製造販売)=有効成分はトラマドール塩酸塩で、効能・効果は軽度から中等度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛。注射剤については承認済み。

 サイビスクディスポ関節注2mL(ジェンザイム・ジャパンが製造販売)=有効成分は、ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマーおよびヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマービニルスルホン架橋。効能・効果は、保存的非薬物治療、経口薬物治療で十分奏効しない疼痛を有する変形性膝関節症患者の疼痛緩和。

 パシル点滴静注液300mg同500mg同1000mg(富山化学が製造販売)、パズクロス注300同500パズクロス点滴静注液1000mg(田辺三菱が製造販売)=有効成分はパズフロキサシンメシル酸塩で、効能・効果に新たな適応菌種として肺炎球菌を、適応症として敗血症を追加する。また、従来の用法・用量は1日100mgを2回に分けて投与することが基本だったが、新効能・効果については、1日2000mgを2回に分けて投与することになる。これに併せて1000mg規格の剤形追加も行った。

 パルミコート100μgタービュヘイラー112吸入同200μgタービュヘイラー56吸入同200μgタービュヘイラー112吸入(アストラゼネカが製造販売)=ブデソニドを有効成分とするステロイド剤。気管支喘息の小児用量を追加する。

 アレロック錠2・5同錠5同OD錠2・5同OD錠5(協和醗酵キリンが製造販売)mgオロパタジン塩酸塩を有効成分とするヒスタミンH1受容体拮抗薬。アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒の小児用量を追加する。

 ビビアント錠20mg(ファイザーが製造販売)=新有効成分としてバゼドキシフェン酢酸塩を含有するSERM。効能・効果は閉経後骨粗鬆症。

 イーケプラ錠250mg同500mg(ユーシービージャパンが製造販売)=新有効成分のレベチラセタムを含有する。効能・効果は、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない、てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法。

 ヤーズ配合錠(バイエル薬品が製造販売)=有効成分は、黄体ホルモンのドロスピレノンと卵胞ホルモンのエチニルエストラジオールベータデクス。効能・効果は月経困難症。

 ヴォリブリス錠2・5mg(グラクソ・スミスクラインが製造販売)=新有効成分のアンブリセンタンを含有するエンドセリン受容体拮抗薬。効能・効果は肺動脈性肺高血圧症。

 レブラミドカプセル5mg(セルジーンが製造販売)=有効成分はレナリドミド水和物。効能・効果は再発または難治性の多発性骨髄腫。

 トーリセル点滴静注液25mg(ファイザーが製造販売)=有効成分はテムシロリムス。効能・効果は、根治切除不能または転移性の腎細胞癌。癌の血管新生に関与する細胞増殖因子であるmTOR蛋白の活性化を阻害する分子標的薬。



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