アステラス製薬は、過活動膀胱(OAB)治療剤「ミラベグロン」の国内申請を行った。2010年度後半には欧米での申請を行う予定で、既存のOAB治療薬「ベシケア」と合わせ、14年度に売上高1700億円以上の達成を目指している。
ミラベグロンは、同社が創製した1日1回経口投与のβ3アドレナリン受容体作動薬。膀胱平滑筋に存在するβ3アドレナリン受容体を刺激し、膀胱を弛緩させることで、蓄尿機能を高め、OABの尿意切迫感、頻尿や切迫性尿失禁などの症状を改善させる。
国内第III相試験では、主要評価項目とした「24時間の排尿回数の平均変化量」で、プラセボ群に対するミラベグロンの有効性が確認されている。また、安全性・忍容性についても、既存の抗コリン剤で特徴的な「口渇」の発現率は、プラセボと同等との結果が得られている。
同社は、ミラベグロンをベシケアの後継品に位置づけ、グローバルで開発を進めてきた。今回の国内申請に続き、10年度後半には欧米で申請を行う予定。一方、アジア地域では、中国・韓国・台湾・インドで国際共同第III相試験を実施している。14年度には、ミラベグロンとベシケアの2製品で、売上高1700億円以上を達成し、グローバルのOAB市場でトップシェアの獲得を目指す。