
蓮舫行政刷新担当相
政府の行政刷新会議は15日、規制・制度改革に関する分科会の第一次報告書に基づいて、保険外併用療法の範囲拡大などの対処方針を、閣議決定することを確認した。分科会で結論を保留した一般薬のネット販売規制については、厚生労働省と内閣府の政務三役レベルでも調整がつかず、項目ごと報告書から削除された。ただ、会議後の会見で蓮舫行政刷新担当相は、「秋に第2弾をやろうと思っているので、丁寧に両者の声を聴きながら進めていきたい」と、引き続き検討する意向を示した。
一般薬のネット販売をめぐって分科会では、厚労省が主張する「対面販売の原則」を前提にすると、規制緩和が骨抜きになるとの認識が示されていた。ただ、府省間折衝でも合意に至らず、見送りが決まった。それによって、ライフイノベーション分野では、16項目の規制・制度を検討することが固まった。
保険外併用療法については、現行の先進医療より手続きが簡便な、新たな評価療養の導入について、今年度中に結論を得る。海外で標準的治療となっている、国内未承認・適応外薬を使った治療などを想定しており、厚労省外の機関が安全性・有効性を評価した上で、一定の施設要件を満たす医療機関に、実施を認める仕組みの創設を探る。
ドラッグラグ、デバイスラグの、さらなる解消にも取り組む。具体的には、▽医薬品医療機器総合機構の審査機能の強化▽ベンチャーに対する薬事戦略相談の創設--について、今年度中に結論を出す。このほか、代替治療のない重篤患者が、治験中の医薬品を選択できるコンパッショネートユース制度の検討に着手する。また、開発メーカーが複数の医師に、未承認の医薬品や医療機器を提供して行う臨床研究について、薬事法上の取り扱いをQ&Aで周知する。
また、再生医療の推進に向け、臨床研究から実用化へ円滑に移行できる制度的枠組みについて、引き続き検討することも盛り込まれた。