医療・介護・医薬に特化した求人情報サイト「グッピー求人」の運営など、医療系人材サービス会社のグッピーズ(東京新宿区)は、創業10周年を迎えた今春、新たに医療・介護系の24職種に対応した新卒募集サイト「グッピー医療介護就職(http://job.guppy.jp/)」を開始した。1シーズン10万円の利用料だけで、一度に多職種の新卒学生が募集できるとあって、「病院やクリニック、調剤薬局の注目が集まっている」(肥田義光社長)という。同社では、今後も求人情報サイトと人材紹介事業の充実を通じて、幅広い医療ニーズに応えていく考え。
同社は昨年秋、求人サイトで初となる「クリック保証」の料金体系を導入した。求人サイトの多くが、期間やサービス内容で料金が決定するのに対し、クリック保証では、求人情報の閲覧回数に応じて課金を行う。低料金で利用可能(1万円から)で、1クリックごとに料金が減額され、閲覧による前払金がなくなるまで求人を掲載することができる。
前払額に応じた閲覧数が保証され、検索された数、閲覧された数、応募された数なども管理でき、1人当たり採用コストが把握・管理しやすい。スタート当初は、1クリック80円だった料金も、現在は50円とさらに利用しやすい設定に改めていることもあって、求職者・紹介件数も増加基調が続いているという。
「応募が来るまでの費用は大体1万円ぐらいで、他のサイトよりは応募までの単価が安い。例えば都市圏の企業と地方の企業では、求人情報を見てくれる頻度が違うため、同一料金での設定は有利・不利が生じる。同システムは遠方の企業にとって、かなりメリットがあると思う。クリック課金は、医療系以外の一般の求人サイトでも見られず、自社開発のシステムということもあり、1クリック50円に設定できたことは他社の追随を許さないと思う」(肥田社長)とする。
新たに加わったサービスが、新卒募集サイト「グッピー医療介護就職」。医療・介護系の資格を目指す学生のための就職サイトは、これまでも薬学生、看護学生向けなどはあったが、コメディカル、歯科、医療・介護全般に対応した就職サイトはなかった。さらに、学生の就職活動では現在、インターネットや携帯電話から情報を検索するのが主流となっており、同社のユーザーからも「低料金で学生と採用担当者をつなぎ、多職種の募集が可能な就職サイトを望む声が多かった」という。
医学生、看護学生、薬学生、歯学生、研修医などから医療事務まで、24職種を同時に募集できるのが特徴。例えば、病院であれば大半の医療資格者(新卒)の募集も可能。明年卒業予定者の学生に対して、1シーズン10万円(税別)で職種に関係なく、募集情報を掲載できる。登録費用や採用が決まった時の費用も不要(掲載期間は11年2月末まで)で、医療機関のほか調剤薬局にとってもメリットは大きい。
同社では、医療系学生(医学部、薬学部、看護学部)向けの総合情報サイト(SNS)として、「キャンパス*ネット」も開設しており、特に薬学生の新卒に関しては業界シェア上位。新たに加わった募集サイト「グッピー医療介護就職」を通じ、幅広い職種の新卒者ニーズ獲得を目指す。
10年の節目を迎え、顧客サービス向上と共に、積極的に新分野にもチャレンジしていきたいとする肥田社長。「求人サイトに関しては、(他社に比べて)ある程度、有利な状況にあるかと思う。人材紹介の部分では、売り上げの6割ほどを薬剤師が占めるが、今後は特に介護関係職種、歯科医師、看護師を伸ばしていきたい」としている。