65歳以上の高齢者は、前年比79万人増の2901万人(2009年10月1日)で、総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)が、過去最高の22・7%となった。これに伴い、2007年度の社会保障給付費も過去最高の91兆4305億円に達したことが、内閣府の09年度「高齢化の状況および高齢社会対策の実施状況」(高齢社会白書)で分かった。
白書によると、65~74歳の前期高齢者人口は1530万人で、総人口に占める割合は12・0%。75歳以上の後期高齢者人口も1371万人(10・8%)で過去最高だった。
また、高齢化率が上昇し続ける一方で、総人口は減少するため、55年には2・5人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上の後期高齢者になると推測。09年時点では、現役世代(15~64歳)2・8人で1人の高齢者を支えているが、高齢者1人を現役世代1・3人で支える社会が到来するとしている。
社会保障給付費も過去最高の水準に達し、国民所得に占める割合は、1970年度の5・8%から24・4%に上昇。社会保障給付費のうち、高齢者関係給付費については、07年度は63兆5654億円、社会保障給付費の69・5%を占めた。
また、一人暮らしの高齢者数は、男女ともに増加傾向にあるが、特に男性の一人暮らし高齢者が増加すると指摘している。
一人暮らし高齢者は、05年には高齢者人口に占める割合が男性で9・7%、女性19・0%だったが、30年には女性が20・9%と微増にとどまる一方、男性は17・8%まで上昇するとの推計値を示した。
高齢者の要介護者数についても調査。65歳以上の要介護者等認定者数は、07年度末で437・8万人。01年度末から150・1万人増えた。また、要介護の認定を受けた者は、65~74歳の前期高齢者の3・1%に対し、75歳以上の後期高齢者では21・6%と高い割合を占めた。
要介護者からみた主な介護者の続柄としては、介護者の6割が同居している者だった。主な内訳は、配偶者が25・0%、子が17・9%、子の配偶者が14・3%。性別では女性が71・9%と多い。
また、同居している介護者の年齢は、男性の65・8%、女性の55・8%が60歳以上で、いわゆる「老老介護」のケースも相当数存在することが分かった。
家族の介護・看護のために離職・転職する人が増えており、06年10月から07年9月の1年間では14万4800人に達した。中でも女性の離職・転職が多く、全体の82・3%を占めていた。