沢井製薬の澤井光郎社長は、13日に開いた決算説明会で、二桁の増収増益を達成した背景について、「薬局と病院への流通で大きなウエートを占める卸ルートが、大幅に伸長したことが大きい」と分析。今期はさらに、薬局で40%増、病院で30%増を目指すほか、販路別では、卸で41%増、販社10・2%増の販売を計画していることを明らかにした。営業体制では、「卸MSとタッグを組み、効率的な営業に取り組みたい」とした。
澤井社長はまた、 診療報酬改定に伴う後発医薬品調剤体制加算の見直しについても触れ、「これくらいのインセンティブが必要だと、中計で予測していたが、想定通りの改正だった」と感想を語った。さらに、「今期、どのくらい増えるかは予想がつかない状況だが、一品たりとも欠品を起こさないよう、『安定供給のサワイ』の信頼構築と製造コスト低減を進め、14年3月期までの1000億円達成に向けた成長の土台としたい」とした。
大手製薬企業のGE薬市場参入については、「現時点では、各社とも仕入れ商品で最低薬価のものが多く、卸や医療機関から見ると、流通マージンが取れない商品。経営に資さない最低薬価品は、見向きもされていないのが現状」と説明。同席した澤井弘行会長も「(参入する大手が)ガスター、タケプロン、メバロチンなどの(GE薬の)品揃えをしていない現時点では、専業メーカーが圧倒的に有利だ」と強調した。