厚生労働省は21日、「医薬品医療機器安全性情報」(第231号)を公表した。免疫抑制剤「タクロリムス水和物」で間質性肺炎で死亡例が報告されていることを受け、「重大な副作用」に追記し、医療関係者等に注意を喚起している。
臓器移植や全身型重症筋無力症、関節リウマチの治療薬「タクロリムス水和物」(販売名:プログラフカプセル0・5mg、同1mg、アステラス製薬が販売)は、1993年に販売開始され、年間の使用患者数は約1万5000人(関節リウマチ領域は5000人)となっている。年間推計販売額は全体で169億円。
直近3年間に企業から、間質性肺炎の悪化が10例(死亡2例)、糖尿病・高血糖が13例報告されたことから、関節リウマチの適用に限り、「間質性肺炎を合併している患者」には慎重投与とし、「重大な副作用」に間質性肺炎の悪化を追記。また、全ての適用について糖尿病、高血糖を「重大な副作用」に追記すると共に、カプセル剤5mg、顆粒剤、注射剤についても同様の措置をとることとした。
また、非小細胞肺癌治療薬「ゲフィチニブ」(販売名:イレッサ錠250、アストラゼネカが販売)は、02年7月に販売開始、推計使用者数は新規処方患者数約2400人、継続投与患者数約6800人。直近3年間に企業から、肝炎、黄疸が9例報告され、うち死亡が1例があったため、従来の肝機能障害に加えて、肝炎と黄疸を「重大な副作用」に追記し、関係者に注意を喚起している。