栃木県保健福祉部薬務課は13日、昨年8月に同県が実施した登録販売者試験の合格者のうち、受験資格に必要な1年間の実務経験を満たしていない受験者があったことが判明したとして、当該者1人の登録販売者試験の合格取り消しと、販売従事登録の消除を行ったと発表した。
今回の処分対象者は、栃木県内で薬局を展開する企業の従業員で、販売業務に携わってない事務担当者だった。実務経験年数が受験資格に満たないものの、この企業が証明書を偽って作成。不正に登録販売者試験を受験して合格し、販売従事登録も受けていた。県薬務課によると、この企業の社長は、従業員の実務経験の不足を認知していなかった。虚偽の証明書作成については謝罪したという。
今回の件は、匿名の投書で判明したもの。薬務課では、再発防止のため、県の薬剤師会、登録販売者協会、配置販売業者などの関係団体のほか、日本チェーンドラッグストア協会などに対し、注意喚起を行った。今回の合格取消処分に伴い、昨年度の同県登録販売者合格者は1人減の311人となる。