スタチン系高脂血症治療薬で、間質性肺炎の副作用が発生していることから、厚生労働省医薬食品局は「医薬品・医療機器等安全性情報」(第268号)で、使用上の注意」を改訂し、医療関係者に注意喚起した。既に添付文書の改訂は3月23日に指示している。
今回の使用上の注意の改訂は、英国で間質性肺炎の副作用報告が蓄積され、注意喚起が行われたことを受けてのもの。国内でも、直近3年間で7例の副作用報告があった。
関係企業が推計した年間患者数は約812万人。そのため、「重大な副作用」の項に「間質性肺炎が現れることがあるので、長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと」を追記した。
抗癌剤「アービタックス」については、「効能・効果に関連する使用上の注意」の項に、KRAS遺伝子変異の有無を考慮した上で使用することや、「重大な副作用」の項に、「心不全」と「重度の下痢」を追記した。
また安全性情報では、重篤な副作用の早期発見・早期対応を図るため、05年から関係学会などの協力を得て作成している「重篤副作用疾患別対応マニュアル」に、3月から新たに14の副作用疾患が加わったことが紹介された。
既に49の副作用疾患に関する対応マニュアルを厚労省や医薬品医療機器総合機構のホームペーで公表しており、今回の追加分を加えると63の副作用疾患となる。
さらに、全国14病院の協力を得て、妊婦の服薬情報と出生児への薬剤の影響に関する情報を収集する「妊娠と薬情報センター」事業に、信州大学病院と鹿児島市立病院加わり、計16病院になったことも示した。