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【中医協薬価専門部会】頻回改定‐決着は持ち越し

2006年12月21日 (木)

薬価専門部会
薬価専門部会

 中央社会保険医療協議会の薬価専門部会(部会長:遠藤久夫学習院大経済学部教授)は20日、来年度の薬価改定は行わないことを正式に決めた。厚生労働省が9月に提示した「薬価改定の頻度を含めた薬価算定基準のあり方」論点の改正案が示され、概ねの了承されたもの。薬価改定の頻度を含む薬価基準制度の議論は来年以降、本格化することになる。

 厚労省が提出した論点の改正案は、前回の論点と同様、総論と各論で構成。

 <総論>では、新薬へのアクセスや、未妥結・仮納入、総価取引などの関連する論点については「2008年度の薬価改定に向けた薬価算定基準のあり方の問題に関する議論に合わせて検討する」と明記された。

 <各論>の「新薬へのアクセスの問題」に関しては、05年度薬価制度改正で画期性加算、有用性加算の加算率引き上げなどが実施されたが、引き続き新薬の薬価算定のあり方について、議論する余地を残す内容となった。

 「未妥結・仮納入、総価取引」では、未妥結・仮納入の改善は「まだ十分ではない」とし、市場実勢価格の把握をどのように充実させるかという観点から検討すべきと明記されたものの、総価取引は従来通り、現行の銘柄別収載を否定するほど問題があるといえないとされた。

 <その他>では、具体的な論点が書き加えられた。

 これを受けて、渡辺自修専門委員(メディセオ・パルタックホールディングス副社長)は、論点の“総価取引は単品総価契約も含まれており、現行の銘柄別収載を否定するほど問題があるといえない”との記述に対し、「より正確な実勢価格を把握するには単品総価契約も問題である」と指摘。支払側の対馬忠明委員(健康保険組合連合会専務理事)も、この意見に同調した。

 また、丸山誠委員(日本経団連社会保障委員会医療改革部会部会長代理)は、08年度以降に引き続き検討することは「いわゆる問題の先送りだ」と批判、▽1年に1回の改定は技術的にどこに問題があるのか▽コストがかかる点をどうカバーするのか▽総価取引が問題あるのかないかのか””などについて、時期を区切って検証すべきと主張。さらに価格未妥結問題についても、上場企業に四半期決算が求められることなどを踏まえ、「08年度中に病院と卸の間で決着すべきだ」と語った。

 ただ、これに対して山本信夫委員(日本薬剤師会副会長)は、個々の課題を議論することで全体の議論が歪んではならないと指摘し、制度全体を見ながら議論すべきとした。また、今後の進め方について対馬委員は、流通問題は小さい問題ではないので議論すべきとした上で、今後は、業界のヒアリングだけでなく、有識者の意見も聴くべきだとする意見を述べた。

 遠藤部会長は、こうした議論を踏まえた上で部会長預かりで、今日の意見を反映させるよう内容の一部を修正するとしたが、今回提示された論点の内容は各側とも、基本的には了承した。これにより、頻回改定の議論はひとまず先送りとなったが、来年度から議論が本格化する08年の薬価改正でも再び、頻回改定が議論の俎上にのぼるのは必至の情勢だ。



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