厚生労働省は4月に、新薬13品目を正式承認する。薬事・食品衛生審議会薬事分科会が24日、不眠症治療薬の「ロゼレム」など3品目を審議すると共に、2型糖尿病治療薬として初の配合剤「メタクト」など10品目の報告を受け、いずれも了承した。医薬品第1、2部会の審議から大きな変更はなかった。
▽ロゼレム錠8mg(武田薬品が製造販売):有効成分はラメルテオン。効能・効果は不眠症における入眠困難の改善。メラトニンに作用し、不眠症との関連が強いサーカディアン(概日)リズムの乱れを調節する新規の作用機序を持つ。分科会審議品目。
▽デュオトラバ配合点眼薬(日本アルコンが製造販売):有効成分はトラボプロストとチモロールマレイン酸塩。緑内障、高眼圧症を効能・効果とする配合剤で、国内2番目となる。
▽レミケード点滴静注用100(田辺三菱製薬が製造販売):有効成分はインフリキシマブ(遺伝子組み換え)。ステロイドや非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)などの既存治療で効果が不十分な、強直性脊椎炎の効能・効果が追加された。オーファン指定。
▽リリカカプセル25mg、同75mg、同150mg(ファイザーが製造販売):有効成分はプレガバリン。効能・効果は帯状疱疹後神経痛。脳神経細胞活性の調節に関与するγ‐アミノ酪酸(GABA)に作用し、神経痛を抑える。
▽ジクアス点眼液3%(参天製薬が製造販売):有効成分はジクアホソルナトリウム。効能・効果はドライアイ。当初「モイスティア点眼液3%」で申請されたが、販売名を変更した。眼表面のP2Y2受容体に作用し、水分やムチンなどの分泌量を増やし、ドライアイを解消するという新規の作用機序を持つ。分科会審議品目。
▽フェントステープ1mg、同2mg、同4mg、同6mg、同8mg(久光製薬が製造販売):有効成分はフェンタニルクエン酸塩。効能・効果は非オピオイド鎮痛剤および弱オピオイド鎮痛剤で治療困難な、中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛。
▽コソプト配合点眼液(万有製薬が製造販売):有効成分はドルゾラミド塩酸塩とチモロールマレイン酸塩。効能・効果は他の緑内障治療薬が効果不十分な場合の緑内障、高眼圧症。
▽ネシーナ錠6・25mg、同12・5mg、同25mg(武田薬品が製造販売):有効成分はアログリプチン安息香酸塩。効能・効果は2型糖尿病。国内では3番目のDPP‐4阻害薬。
▽メタクト配合錠LD、同HD(武田薬品が製造販売):有効成分はピオグリタゾン塩酸塩とメトホルミン塩酸塩。効能・効果は2型糖尿病で、ピオグリタゾン塩酸塩およびメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る。
▽ネスプ注射液10μg/1mLプラシリンジ、同15μg/1mLプラシリンジ、同20μg/1mLプラシリンジ、同30μg/1mLプラシリンジ、同40μg/1mLプラシリンジ、同60μg/0・6mLプラシリンジ、同120μg/0・6mLプラシリンジ、同180μg/0・9mLプラシリンジ(協和発酵キリンが製造販売):有効成分はダルベポエチン・アルファ(遺伝子組み換え)。効能・効果は腎性貧血。新規投与経路として皮下注射ができるようになるほか、透析前の保存期の慢性腎臓病患者への投与も可能になる。
▽ユニシア配合錠LD、同HD(武田薬品が製造販売):有効成分はカンデサルタンシレキセチルとアムロジピンベシル酸塩。効能・効果は高血圧症。
▽ソリリス点滴静注300mg(アレクシオンファーマが製造販売):有効成分はエクリズマブ(遺伝子組み換え)。効能・効果は発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制。髄膜炎菌の罹患リスクが上昇するため、適正使用ガイドと患者が携行する安全カードを企業が作成・配布する。同剤が上市される頃には、サノフィ・パスツールが髄膜炎菌ワクチンの治験に入る見通し。オーファン指定。分科会審議品目。
▽ベクティビックス点滴静注100mgまたは同100mg「タケダバイオ」(武田薬品と武田バイオ開発センターが申請):正式承認までに、製造販売元と販売名を決定する。有効成分はパニツムマブ(遺伝子組み換え)。効能・効果はKRAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌。上皮細胞増殖因子(EGFR)の発現を抑える抗EGFR抗体医薬。