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ラクトフェリンが放射線障害を防護‐放医研グループが発見

2006年12月15日 (金)

 放射線医学総合研究所(米倉義晴理事長)は、母乳や哺乳類の乳汁に多く含まれる「ラクトフェリン」に、放射線障害を防護する顕著な効果があることを、マウスを用いた実験で明らかにした。同研究所基盤技術センターの西村義一センター長らによる成果。今後、被爆障害の安価な予防薬、治療薬の開発につながることが期待される。

 研究グループでは、これまでも放射線障害を防護する薬剤の探索を進めてきた。放射線防護剤の多くは、被爆前の投与で予防的な効果を示すが、今回、放射線防護効果が見出されたラクトフェリンは、放射線被爆後に投与しても有効な効果が得られる治療用の薬剤としても注目されている。また、ラクトフェリンは通常の食品として流通しているものであり、安価であるだけでなく経口剤や注射剤、坐剤など様々な形の薬品として使用できる利点を備えている。

 放射線防護については多くの薬剤が報告されているが、副作用を伴うものもあり、新たな薬剤開発、特に放射線被爆後に投与して有効な効果が得られる薬剤の開発が望まれてきた。ラクトフェリンの効果は、新たな放射線障害治療薬剤の開発につながることが期待され、同研究所は「抗放射線被爆障害剤」として特許出願を完了した。

 今後、同研究グループはラクトフェリンを抗放射線被爆剤として活用するために、その放射線防護機構の解明に取り組んでいく。また、投与方法、他の薬剤との併用効果を探索して、放射線治療・診断の現場で効果的に活用する予防薬、治療薬としての可能性を含めた研究を進めていく。



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