帝人ファーマは9日、世界戦略製品の痛風・高尿酸血症治療薬「TMX‐67」(一般名:フェブキソスタット)について、導出先の仏イプセンと伊メナリーニが欧州で販売を開始すると発表した。8日にフランスで発売し、今月中にはイギリス、ドイツ、アイルランドで順次販売を開始する。その後、メナリーニが販売権を持つEU圏・ロシア以西の41カ国に拡大していく予定。欧州での製品名は「アデニュリック」で、米国に続く2番目の上市となる。
フェブキソスタットは帝人ファーマが自社創製した新規キサンチンオキシダーゼ阻害剤。欧州での開発・販売権は、2003年に仏イプセンが取得し、昨年10月には、伊製薬大手のメナリーニに販売権をサブライセンスし、「アデニュリック」の発売を目指してきた。
フェブキソスタットは昨年、米国で武田薬品の米子会社TPNAが販売を開始し、初めての市場投入を果たしているが、今回、米国に続き、欧州で開業医に強いメナリーニが「アデニュリック」の販売を開始することになった。帝人ファーマは、世界戦略製品と位置づけるフェブキソスタットを米国・欧州に投入することで、海外展開をさらに加速させたい考え。
欧州では、ピーク時の売上高を400~600億円と見込んでおり、米国・欧州市場合計で売上高1000億円の達成を目指す。
米欧以外では、アジアで韓国の導出先のSKケミカルズがフェブキソスタットの承認を取得済み。日本では再申請中となっている。台湾では導出先の台湾アステラスが申請準備を進めている段階にある。