厚生労働省の政務三役会議は2日、「難治性疾患対策のあり方に関する検討チーム」を省内に設置することを決めた。現行の高額療養費制度や、特定疾患治療研究事業による医療費助成では、対応が不十分な患者の救済策を探る。三役会議後の会見で足立信也政務官が明らかにした。
難治性疾患の治療については現在、特定疾患治療研究事業で56疾患を指定し、医療費窓口負担の一部を国と都道府県が公費で助成している。また、高額療養費制度で窓口負担に上限を設けると共に、血友病、血液凝固因子に起因する後天性免疫不全症候群、人工透析が必要な慢性腎不全については、通常より低い自己負担限度額を設定している。
足立氏は、「限られたパイの中で対象疾患を決めている。これに選ばれなかった人はどうなるのかという根本的な問題がある。そういうことを検討する必要がある」と、チーム設置の趣旨を説明した。
政府は、昨年12月に「障がい者制度改革推進本部」を置き、さらに、内閣府に推進会議を設置し、1月から難治性疾患を含む障害者施策について総合的に議論している。ただ、推進本部は福祉を念頭に置き、対象とする難治性疾患の範囲が狭い。そのため、厚労省として治療の側面を含めて、独自に検討に乗り出すことになった。