厚生労働省大臣官房統計情報部は7日、2005年に実施した患者調査の概況を公表した。調査結果によると、調査日に全国の医療施設で受療した推計患者数は入院が146万3000人、外来が709万2000人で前回調査と比べ、入院が1.2万人、外来が61.4万人増えた。また、人口10万対の受療率は入院が1145、外来が5551であった。
調査は、医療施設の利用する患者について、傷病状況の実態を明らかにし、医療行政の基礎資料を得る目的で3年に一度実施されている。
推計患者数を施設の種類別にみると、入院では病院が139万2000人、一般診療所が7万1000人。外来では病院が186万6000人、一般診療所が394万9000人、歯科診療所が127万7000人だった。男女別では入院が男67万4000人、女78万9000人。外来が男が300万2000人、女が409万人である。なお、年齢階級別でみると、65歳以上は入院が93万8000人で入院患者の3分ノ2を占め、外来が307万8000人で外来患者の43%を占めていた。
年次推移でみると、入院は病院が90年まで増加傾向にあり、95年からは減少したものの96年から再び増加し、99年から横ばいが続いている。一方、外来は病院が99年から減少しているが、一般診療所や歯科診療所では05年から増えている。統計情報部では「機能分化が進んでいるといえるのではないか」と分析している。
主要な傷病の総患者数をみると、「高血圧性疾患」が約781万人でもっとも多く、以下「歯及び歯の支持組織の疾患」約566万人、「糖尿病」約247万人、「悪性新生物」約142万人、「脳血管疾患」約137万人と続く。特に高血圧性疾患は、前回調査より82万4000人、糖尿病患者は18万5000人増えるなど、生活習慣病の伸びが目立っている。