ヒト化抗ヒトインターロイキン(IL)”6モノクローナル抗体「アクテムラ」(一般名:トシリズマブ”遺伝子組み換え”)が、関節リウマチの適応で国内承認審査に入ることになった。
同剤は、欧米ではロシュが2007年の承認申請を目指し、PIIIを実施中。日本では05年に世界初のキャッスルマン病治療薬として承認されていた。
中外によると、国内PIIIでは、トリシズマブがメトトレキサート(MTX)に比べ、関節リウマチの症状を有意に改善する結果が得られた。
試験は、関節リウマチ患者125例を対象に、アクテムラ8mg/kgとMTXのプラセボを投与するアクテムラ群61例と、MTX8mgとアクテムラのプラセボを投与するプラセボ群64例に分けて行われた。
アクテムラについては4週間隔、MTXについては1週間隔で投与。評価指標としては疼痛関節数や患者による疼痛評価、炎症マーカーなどの改善度合いで評価する米国リウマチ学会(ACR)の評価基準(ACR改善率)を用いて行った結果、アクテムラ群が、改善したと認められる「ACR20%改善率」に加え、「同50%」「同70%」でもプラセボ群に比べ有意に高い数値となり、有効性を示した。
安全性では、アクテムラ群で91・8%、プラセボ群で71・9%で有害事象があり、重篤な有害事象もそれぞれ4例、3例に発現がみられたという。
それら臨床試験結果に基づいて、国内で全身型若年性突発性関節炎と併せて適応追加申請を4月28日に行った。