薬事食品衛生審議会医薬品第一部会は1月29日、武田薬品の入眠困難改善薬「ロゼレム錠8mg」、日本アルコンの緑内障・高眼圧症治療薬「デュオトラバ配合点眼液」など3品目を審議し、いずれも承認を了承した。ロゼレム錠は、不眠症との関連が強いサーカディアン(概日)リズムの乱れを調節する新たな作用を持ち、類似薬がないため、3月に開かれる薬事分科会で再び審議する。2品目は分科会報告。
「ロゼレム錠8mg」(武田薬品が製造販売)の有効成分は、ラメルテオン。不眠症における入眠困難の改善が効能・効果。再審査期間は8年。原体が劇薬に指定される予定。2005年に米国で承認されている。
脳の中枢神経系のGABA受容体に作用し、催眠を促すベンゾジアゼピン系の睡眠導入薬は、効き目が強い反面、依存性があり、ふらつきなどの副作用もある。これに対し、メラトニン受容体に作用し、概日リズムを改善する同剤は、「マイルドに効く」ため、副作用などが少なく「新たな治療選択肢になり得る」(厚生労働省)という。
「デュオトラバ配合点眼薬」(日本アルコンが製造販売)の有効成分は、トラボプロストとチモロールマレイン酸塩。緑内障、高眼圧症を効能・効果とする配合剤。再審査期間は6年。海外では欧州など81カ国で承認されている。
同剤は、眼圧降下作用に密接に関連するプロスタグランジンF2α(PGF2α)受容体に選択的に作用する。緑内障、高眼圧症の配合剤としては、ファイザーの緑内障・高眼圧症治療薬「ザラカム」に次いで、国内2番目となる。保存剤として用いられ、目の充血などを引き起こす一因とされる「ベンザルコニウム塩化物」を除去した。
「レミケード点滴静注用100」(田辺三菱製薬が製造販売)の有効成分は、インフリキシマブ(遺伝子組み換え)。ステロイドや非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)など、既存治療では効果が不十分な、強直性脊椎炎の適応を追加した。オーファンドラッグで、同疾患の患者数は2000人程度。承認条件として全例調査が付された。同様の効能で欧州など91カ国で承認されている。
2品目を報告
この日の部会では、2品目の一部変更承認申請などが報告・了承された。
▽エンブレル皮下注用25mg、同50mgシリンジ1・0mL、同10mg、同25mgシリンジ0・5mL(ワイスが製造販売):有効成分はエタネルセプト(遺伝子組み換え)。既存治療で効果不十分な場合の関節リウマチをを効能・効果とする新用量医薬品。
▽カーディオライト注射液第一、同第一(富士フィルムRIファーマ)の有効成分は、ヘキサキス(2‐メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウム(99mTc)、テトラキス(2‐メトキシイソブチルイソニトリル)銅(I)4フッ化ホウ酸。副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断の効能・効果を追加した。