日本で2000年から05年の間に承認された優先審査品目を除く新薬のうち、申請から12カ月以内に承認されたのは10%に過ぎないことが、日本製薬工業協会医薬産業政策研究所の安田邦章主任研究員の調査で明らかになった。優先審査品目を含めても21%であり、12カ月以内承認の割合は減少傾向にある。安田氏は、スピードアップには審査員の増員、審査しやすい申請資料の作成などが必要と指摘している。
調査報告書によると、00年から05年までの優先審査品目を除く通常審査品目の平均審査期間は、日本が21.4カ月だったのに対し、米国は12.8カ月。日本の承認は、米国より8.6カ月遅い。
さらに、00年から05年までの間に、12カ月以内に承認された品目数を調べたところ、日本は全承認302品目のうち65品目で21.5%。各年ごとに見ても概ね2割強で推移している。それに対し米国では493品目のうちほぼ半数の243品目、毎年405割は12カ月以内に承認されている。
優先審査品目を除く通常審査品目の12カ月以内承認は、208品目のうち21品目で僅か10.1%。しかも00年には14.5%だったが、その後低下し続け04年8.0%、05年にはゼロだった。米国では、396品目中174品目で43.9%。各年とも概ね4割前後の割合である。これを優先審査品目に限ってみると、品目数が少なく年次ごとのバラツキが大きいが、日本の46.8%に対し、米国は71.1%に上った。
また、05年の承認品目(部会審議品目)の審査期間は25.7カ月で、04年より7.8カ月延びた。部会報告品目を合わせても22.7カ月で、米に比べると12.5カ月長くかかった計算になる。05年に日本の審査期間が伸びたことについて安田氏は、「興味を持って考察したが、原因は分からなかった」としている。
これらの結果について、「日米の審査期間の差は縮小しているといわれるが、全品目平均の審査期間でみても、1年以内の承認品目でみても、日米の差はいまだ大きいといえる」と分析している。