日本保険薬局協会(NPhA)の三津原博会長は25日、都内で記者会見し、数量ベースで後発医薬品の調剤割合が30%以上の場合には、「少なくとも25点くらいはほしい」とし、後発医薬品調剤体制加算の見直しで具体的な注文を付けた。後発品使用による薬価差益の圧縮分、経済的インセンティブの面から積算した結果として訴えたもの。また、普及推進の観点から「30%」を超えた場合の評価算定がなかったことが問題としたほか、変更不可処方せんの現状改善が前提条件だと指摘した。
次期診療報酬改定では、後発医薬品調剤体制加算の算定要件を、処方せんベースで30%以上から、数量ベースで20%、25%、30%以上の3段階に見直し、25%以上を特に評価する方向性が示されている。三津原氏は段階的にフィーを付けていくことを評価したが、「30%を超えた調剤割合に対する評価がないことは、政府目標の『後発品使用率30%以上』の達成が、難しい可能性がある」とし、30%を超えるケースについても、段階的な設定が必要だったとの認識を示した。
その上で、「30%以上がかなり高いフィーであればいいが、低ければ満足できる結果にはならないと想定される。20%、25%のフィーは最初から使わないつもりで、いっぺんに30%を取りにいかないと、政府目標の達成は難しい」と指摘。「20%、25%以上のフィーは限りなく少なくてもいい。30%以上の点数を極大化することが、2年間での達成のためには必要」と指摘した。
具体的には、後発品への切り替えによる経営への影響を概算した結果を示し、「1万円の処方せん単価が20%ダウンすると、インセンティブがつくボーダーラインは20点以上。25点であればインセンティブがつく。また、前提として、不可処方せんを発行しにくくするスキームを考えていただかないと、目標達成は不可能」と指摘し、未だ後発品への変更不可処方せんが発行されていることを問題とし、厚労省の積極的な対応を求めた。
一方、協会発足当時から訴えている、調剤基本料の傾斜配分解消については、今回の改正でも単一医療機関からの処方せん受け付けが集中する場合に、点数が低くなる特例が存続されることから、「とても納得できる考えではない。こういう差別があってはならない」と批判。「20年近くやっているのだから、そろそろやめてもらいたい」と、1本化を改めて求めた。