厚生労働省は、改正薬事法の遵守状況を点検するため、全国の薬局を対象に行う「覆面調査」を来年度も継続する。今年度からの継続事業であるため、「10年度医薬食品局の予算案の概要には記載していなかった」(厚労省)が、「医薬品消費者相談等体制整備」として、1800万円の予算を計上していた。消費者への情報提供をはじめ、医薬品のリスク分類に応じた陳列、薬局内の掲示など、専門家による一般薬の販売が適切に行われているかを調べ、新販売制度のさらなる定着につなげたい考えだ。
今年度の新規事業「医薬品消費者相談等体制整備」には、2600万円の予算が計上され、既にスタートしている。今回の覆面調査は、厚労省から事業委託を受けたマーケティングリサーチ会社のインテージが実施。一般の調査員が全国延べ4000軒の薬局、店舗販売業者を訪れ、薬剤師や登録販売者の配置状況、医薬品のリスク区分に応じた情報提供や陳列を点検する。
調査に当たっては、全国各地で調査員に研修を実施。早いところで、今月中旬から研修を修了した調査員が調査に取りかかっており、今週から本格的に着手しているという。
覆面調査について厚労省は、「あくまで消費者の目線で販売実態を調べる」と説明。薬剤師や登録販売者から消費者に、必要な説明が行われているかどうかのチェックに重点が置かれる模様だ。
調査は今年度中に終了させ、調査結果を公表する予定だが、来年度の調査について、厚労省は「今年度の結果を踏まえ、調査内容や方法をよりブラッシュアップさせたい」としている。