バイオベンチャーのアリジェンとその米国関係会社のジェナスが米国で共同開発している抗ウイルス剤ソリブジンのクリーム剤(開発番号:ARYS”01)が、2007年3月までにPII/IIIにステップアップする見通しとなった。少人数患者によるPIIで効果が示唆されたためで、09年中の米国承認申請を目指している。
ソリブジンの経口剤は、フルオロウラシル系抗癌剤との相互作用による死亡が社会問題となったが、効果の高さには定評があった。現在開発されているのはソリブジンを3%含有するクリーム剤で、抗癌剤との相互作用の原因となった代謝物の生成も、クリーム剤治療では認められなかったという。
アリジェンが発表したPII結果によると、免疫不全を伴わない帯状疱疹患者24人を対象に評価した(12人はプラセボ)ところ、1日2回の投与で3日目に、帯状疱疹による皮疹の面積が、プラセボ群に比べソリブジン群で3割小さくなり、帯状疱疹による疼痛緩和効果も示唆する成績が得られている。
また、フルオロウラシル系抗癌剤の代謝を阻害することから問題となったソリブジン代謝物の5”ブロモビニルウラシルも、クリーム剤治療では血中での生成が認められず、ピリミジン代謝律速酵素の血中レベルも正常範囲で推移する結果が得られている。
それらの成績を受けて開発を次相に移すことになったもので、アリジェンでは100人以上の患者を対象に、帯状疱疹やその疼痛に対する効果を検証する。
同社は当面、米国での開発を先行して進める方針で、欧州、日本での開発も視野にあるが未定。日本では開発提携先を探している。