三和化学研究所は11日から、食後過血糖改善薬「セイブル」(一般名ミグリトール)を発売した。規格は25mg、50mg、75mgの3種類で、薬価はそれぞれ1錠当たり32.6円、57.6円、80.3円。情報提供活動は大日本住友製薬と共同で行う。
成人には1回50mgを、1日3回毎食直前に服用する。効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を75mgまで増量することができる。
「セイブル」はα-グルコシダーゼ阻害薬で、小腸上部に存在する二糖類水解酵素(α-グルコシダーゼ)を競合的に阻害することで糖質の消化・吸収を遅延させ、食後高血糖の上昇を抑制する。同剤自体も小腸で吸収されることから、未消化の糖質は小腸下部で緩やかに吸収され、血糖値の上昇も緩やかになる。
重篤な副作用としては、他の糖尿病治療薬との併用で、低血糖症状が報告されている。従来の薬剤と比べ、大腸へ到達する糖質量が減少するため、腹部膨満や鼓腸などの消化器症状が少ない。
今年度中(2006年3月末)に売上高3億円を見込み、6年後以降のピーク時には、α-グルコシダーゼ阻害薬の市場の30%とされる160億円を目指す。