11日付薬価収載受け新発売 万有製薬、小野薬品、ゼリア新薬、協和発酵キリン、日本新薬、小野薬品

2009年12月16日 (水)

DPP‐4阻害薬「ジャヌビア錠」、「グラクティブ錠」‐万有製薬、小野薬品

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グラクティブ錠
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ジャヌビア錠

 万有製薬と小野薬品は11日、DPP‐4阻害薬「シタグリプチンリン酸塩水和物」を新発売した。万有製薬が「ジャヌビア錠25mg、同50mg、同100mg」、小野薬品が「グラクティブ錠25mg、同50mg、同100mg」の商品名で販売する。

 シタグリプチンは、米メルクが創製し、小野薬品と万有製薬が共同開発した国内初の1日1回投与のDPP‐4阻害剤。消化管で産生されるホルモン「インクレチン」を分解する酵素「DPP‐4」を、選択的に阻害することによって、血糖値を下げる生体内の仕組み「インクレチンシステム」の活性化を促す。その結果、血糖値依存的にインスリン分泌を増強し、血糖低下作用を発揮する。

 中央社会保険医療協議会のデータによると、両社のシタグリプチンの販売額は、初年度が5億3000万円、ピーク時の10年目が431億円を見込んでいる。

 薬価は、25mg1錠99・50円、50mg1錠185・70円、100mg1錠278・60円。


潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール錠」‐ゼリア新薬、協和発酵キリン

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ゼリア新薬のアサコール錠400mg
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協和発酵キリンのアサコール錠400mg

 ゼリア新薬と協和発酵キリンは16日、潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール錠400mg」(一般名:メサラジン)を新発売した。今後、ゼリア新薬が製造を行い、ゼリア新薬、協和発酵キリンの両社が1ブランド2チャネル方式で販売していく。

 アサコールは、ゼリア新薬が買収したスイスのティロッツファーマが開発した炎症性腸疾患(IBD)治療剤。有効成分メサラジンにpH依存型放出調製特性を持たせたコーティングを施し、下部消化管に到達してから、メサラジンを放出する製剤設計を実現させた。特に炎症性腸疾患の下部消化管病変に効果を発揮する。

 両社は、2007年1月にアサコールの国内共同開発・販売に関する契約を締結し、今年10月にゼリア新薬が承認を取得した。発売後2年目には、国内のIBD市場でシェア50%に相当する100億円の売上を目指している。

 用法・用量は、成人には、メサラジンとして1日2400mgを3回に分けて食後経口投与するが、活動期には、1日3600mgを3回に分けて食後経口投与する。

 薬価は、400mg1錠89・10円。

PAH治療薬「アドシルカ錠」、アレルギー性鼻炎治療剤「エリザスカプセル外用」‐日本新薬

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アドシルカ錠20mg
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エリザスカプセル外用400μg

 日本新薬は11日、肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬「アドシルカ錠20mg」(一般名:タダラフィル)と、アレルギー性鼻炎治療剤「エリザスカプセル外用400μg」(一般名:デキサメタゾンシペシル酸エステル)を新発売した。

 「アドシルカ錠」は、有効血中濃度が長時間持続するため、1日1回の経口投与が可能。ベラプロスト、ボセンタン等の既存薬と異なる作用機序を持ち、併用療法の可能性も期待される。ピーク時売上高として発売10年後に約28億円を見込んでいる。

 食事の影響も受けないため、同社は、服薬コンプライアンスの向上が図れる新しい経口PAH治療薬と位置づけている。

 同剤はイーライリリーが開発した。有効成分は、勃起不全(ED)治療薬「シアリス」と同じ。肺動脈の平滑筋に多く分布するホスホジエステラーゼ5の阻害作用を有し、内因性NOによる血管拡張を増強して、肺血行動態を改善させる。米国では2009年5月、欧州でも同年11月に承認されている。

 PAHは、心臓から肺に血液を送る肺動脈末梢の小動脈内腔が狭くなり血液が通りにくくなった結果、肺動脈の血圧が高くなる難治性疾患。息切れ、倦怠感などの症状を伴い、進行すると心不全が引き起こされる。成人では,患者の約7割を女性が占め、国内の推定患者数は約6000~9000人。

 一方、「エリザスカプセル外用」は、国内創製の新規ステロイド薬を有効成分とする粉末製剤。粉末製剤が充填されたカプセルを、専用噴霧器にセットして鼻腔に噴霧する。粉末鼻噴霧用ステロイド薬で1日1回投与タイプは国内で初めて。

 アレルギー性鼻炎の3症状であるくしゃみ、鼻汁、鼻閉に効果を発揮する。防腐剤は配合されていない。1日1回投与の利便性に加え、鼻腔内噴霧後の刺激が少なく、液だれがないのが特徴。

 ピーク時売上高は発売5年後に約39億円を見込んでいる。

受容体拮抗型制吐剤「イメンドカプセル」‐小野薬品

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イメンドカプセル

 小野薬品は、受容体拮抗型制吐剤「イメンドカプセル80mg、同125mg、同セット」(一般名:アプレピタント)を新発売した。

 イメンドは、米メルクが創製し、小野薬品が国内で開発した世界初の選択的ニューロキニン1受容体拮抗型制吐剤。抗癌剤投与に伴う悪心・嘔吐の予防や症状の軽減を適応に、コルチステロイドや5‐HT3受容体拮抗型制吐剤との併用で使用される。急性期だけでなく、既存治療で効果不十分な遅発期の悪心・嘔吐にも効果を発揮するため、癌患者のQOLの改善や化学療法の継続につながる可能性がある。

 用法・用量は、成人にはアプレピタントとして抗悪性腫瘍剤投与1日目は125mg、2日目以降は、80mgを1日1回経口投与する。

 薬価は、80mg1カプセル3380・90円、125mg1カプセル494
6・00円、125mg1カプセルと80mg2カプセルが同包された「カプセルセット」1セット1万1707・80円。



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