福岡県保健福祉部薬務課はこのほど、県下の病院を対象に実施したジェネリック(GE)医薬品の採用状況などに関する実態調査結果をまとめ、公表した。8月末時点の全採用医薬品に占めるGE薬の割合は9.3%で、前年同時期の8.4%に比べ大きな変化はみられない。また、4月以降にGE薬の処方を希望する患者が増えたと回答した施設は16.6%にとどまった。
調査結果は、福岡県老人医療費対策推進協議会の検討資料として作成されたもの。今年9月上旬から1カ月間、県病院協会傘下の244病院にアンケートを郵送し、232施設(95.1%)から回答を得た。
GE薬を「採用する」とした施設は46.3%で、理由は「患者負担軽減につながる」が多かった。その一方、採用していない病院では「品質に信頼がおけない」を理由として挙げている。
採用基準としては、「安定性等の品質」を最も重視しており、次が「生物学的同等性」。採用件数の多いGE企業は、沢井製薬、日医工、共和薬品工業、大洋薬品工業、メルク製薬、東和薬品、エルメッド・エーザイの順だった。
また、DPCを「導入している」施設は8.1%、「導入を検討」は24.7%であり、これら施設の約8割は、DPC導入によって後発品の使用が増える(増えた)と捉えている。
院外処方せんについては、60.3%が院外処方せんを交付し、42.8%が今回の処方せん様式変更に「賛成」と回答した。変更可欄のチェックは「各医師の判断」が43.0%、「患者が求めた場合」が39.1%、「原則全てにチェック」が10.2%だった。
しかし、現実に変更可欄にチェックした割合をみると、今年4月から8月末までに交付した全院外処方せん(院外発行している138施設中、85施設が回答)102万4439枚の中で、「後発品変更可」欄へのチェックがなされたのは11万7498枚、11.5%に過ぎない。このうち、変更した医薬品名の情報が薬局からフィードバックされたのは1万0663件で、変更可処方せんの9%という状況であった。
GE薬に関する患者とのトラブルでは、薬剤費で価格的な割安感が少ない、効果面の不安を取り除く説明に時間がかかるなどのほか、処方されたGE薬が薬局に備蓄されていないなどの点が指摘された。