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【第一三共】抗Xa阻害剤「エドキサバン」‐10年中に国内申請へ

2009年12月14日 (月)

 第一三共は、術後血栓症予防を目的に実施した抗Xa阻害剤「エドキサバン」の第III相試験の結果、既存薬のエノキサパリンに対する非劣性が証明されたと発表した。エドキサバンの第III相試験としては初めて得られた結果で、主要評価項目を達成した。安全性に関しても、重大な出血、臨床的に重要な出血頻度はエノキサパリンと同等だったことから、2010年中に国内承認申請を行う予定。第III相試験成績の詳細は、来年の主要学会で発表する。

 エドキサバンは、第一三共が大型化を目指す自社開発品。術後血栓症(VTE)予防の第III相試験は、膝関節全置換術(TKR)施行患者716例を対象に日本と台湾で実施され、TKR術後6~24時間後にエドキサバン1日1回30mgを11~14日間投与し、VTEの予防効果をエノキサパリン投与群と比較した。

 その結果、有効性評価項目としたVTEの予防効果について、エドキサバン投与群のエノキサパリン投与群に対する非劣性が証明され、主要評価項目を達成したことが分かった。また、安全性の評価項目である重要な出血、臨床的に重要な出血の発現率について、エドキサバン投与群とエノキサパリン投与群で有意な差は認められなかった。

 第III相試験成績の詳細は、来年の主要学会で発表することにしているが、第一三共常務執行役員研究開発本部長の廣川和憲氏は、11日のR&D説明会で「(至適用量を設定した)後期第II相試験のデータを再現できた」と満足感を示した。今回の結果は、エドキサバンの第III相試験として初めて得られた成績で、この結果を受け、同社は10年中に国内承認申請を行う予定だ。

DVT・PE予防、今月にもPIII開始

 昨年11月には、心房細動(AF)患者を対象としたエドキサバンの国際共同第III相試験「ENGAGE‐AF」を開始しているが、新たに深部静脈血栓症(DVT)/肺塞栓症(PE)予防を目的とした国際共同第III相試験「HOKUSAI‐VTE」を、今月中にもスタートさせる。HOKUSAI‐VTE試験は、DVT/PE患者約7500例を対象に、エドキサバン1日1回60mg投与群の有効性・安全性をワルファリンと比較する無作為化二重盲検試験。DVTの再発を主要評価項目とし、日本を含め世界40カ国の約450施設で実施する。既に開始準備を整え、一例目の登録待ちの状況にある。

 VTE予防で初の第III相試験結果を得たエドキサバンは、AF、DVT/PEの適応症でも大規模な第III相試験段階に入っており、激しい競合の中、開発はいよいよ最終段階を迎えることになる。

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