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【薬食審医薬品第一、第二部会】新薬11成分1療法を承認へ

2006年12月04日 (月)

 薬事・食品衛生衛生審議会の医薬品第二部会が11月29日、医薬品第一部会が同30日に開かれ、第一部会では8成分、第二部会では3成分1併用療法の新医薬品を審議、いずれも承認して差し支えないとの結論した。このうち、パーキンソン病治療薬「コムタン錠100mg」、インフルエンザ菌b型ワクチン「アクトヒブ」については、新有効成分含有医薬品で、他に類似薬がないなどの理由から、今月下旬にも開かれる薬事分科会で再度審議する。また、他の品目について薬事分科会に報告される。審議品目は次の通り。

 <第一部会>

 ◇ソマバート皮下注用10mg・同15mg・同20mg(ファイザーが輸入):有効成分はペグビソマント(遺伝子組み換え)。先端巨大症(外科的処置、他剤による治療で効果が不十分な場合や施行が困難な場合)のIGF”I(ソマトメジンC)の分泌過剰状態、および諸症状の改善を効能・効果とする新有効成分含有医薬品で、既存製剤とは作用機序が異なる。希少疾病医薬品の指定を受けていた。再審査期間は10年で、原体・製剤とも劇薬に指定される。市販後全例調査の実施が承認条件となる。

 ◇レミケード点滴静注用100(田辺製薬が輸入):有効成分はインフリキシマブ(遺伝子組み換え)。既存の治療に効果不十分なベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎の効能効果が追加された。希少疾病用医薬品にも指定されていた。再審査期間は10年で、原体・製剤とも劇薬に指定されており、生物由来製品にも該当する。市販後全例調査の実施が承認条件となる。

 ◇ミレーナ(日本シエーリングが輸入):有効成分はレボノルゲストレル。避妊を効能・効果とする新投与経路医薬品。子宮内避妊具IUDの先に同剤を付け、子宮内に挿入して用いる。再審査期間は6年で、原体・製剤とも毒劇物に該当しない。販売時には販売名が変更される予定。

 ◇モディオダール、同錠100mg(アルフレッサファーマが輸入、製造):有効成分はモダフィニル。ナルコレプシーに伴う日中の過度の眠気を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品の指定を受けていた。再審査期間は10年で、原体・製剤とも劇薬に指定される。

 ◇コムタン錠100mg(ノバルティス・ファーマが製造販売):有効成分はエンタカポン。レボドパ・カルビドパまたはレボドパ・塩酸ベンセラジドとの併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing”off現象)の改善を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。パーキンソン病で産生が減少しているドパミンの代替となるレボドパは、脳に到達する前に、末梢で大部分が代謝されるが、同剤との併用でレボドパの効果が高くなる。再審査期間は6年で、原体・製剤とも毒劇物には該当しない。

 ◇サーティカン錠0・25mg、同0・5mg、同0・75mg(ノバルティス・ファーマが製造販売):有効成分はエベロリムス。心移植における拒絶反応の抑制を効能・効果とする新有効成分含有医薬品で、優先審査品目に指定されていた。治験の患者数が少ないため再審査期間は10年で、原体は毒薬、製剤は劇薬に指定される。市販後全症例調査の実施が承認条件となる。

 ◇フォリスチム注50、同75(日本オルガノンが製造販売):有効成分はフォリトロピンベータ(遺伝子組み換え)。視床下部”下垂体機能障害に伴う無排卵および希発排卵における排卵誘発を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。昨年4月に承認されているため、再審査期間は2011年4月10日までで、原体・製剤とも毒劇物に該当しないが、生物由来製品には該当する。

 ◇プログラフカプセル0・5mg、同1mg(アステラス製薬が製造販売):有効成分はタクロリムス水和物。ループス腎炎(ステロイド剤の投与が効果不十分や、副作用により困難な場合)を効能・効果とする新効能医薬品。希少疾病用医薬品の指定を受けていた。再審査期間は10年で、原体・製剤とも毒劇物に指定済み。

 <第二部会>

 ◇アクトヒブ(サノフィパスツール第一ワクチンが輸入):有効成分は破傷風トキソイド結合インフルエンザ菌b型多糖。インフルエンザ菌b型による感染症の予防を効能・効果とする新有効成分含有医薬品(ワクチン)。再審査期間は6年で、原体・製剤とも劇物に指定し、生物由来製品にも該当する。

 ◇ファンガード点滴用50mg、同75mg、同25mg(アステラス製薬が製造販売):有効成分はミカファンギンナトリウム。造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症およびカンジダ症の予防を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は4年で、原体・製剤とも劇薬に指定済み。

 ◇アリムタ注射用500mg(日本イーライリリーが製造販売)”ランダ注(日本化薬が製造販売)、ブリプラチン注(ブリストル製薬が製造販売)、プラトシン注10、同注25、同注50(ファイザーが製造販売)、シスプラチン注「マルコ」(マルコ製薬が製造販売)、シスプラメルク注射液0・05%(メルク製薬が製造販売)、シスプラチン注10mg「日医工」、同25mg「日医工」、同50mg「日医工」(日医工が製造販売):有効成分は「アリムタ」がペメトレキセドナトリウム水和物、「ランダ」以下がシスプラチン。悪性胸膜中皮腫の効能・効果に対する新有効成分含有医薬品と新効能・新用量医薬品の併用療法。

 昨年1月の未承認薬検討会議の初会合で「早期に治験を開始されるべき」とされ、企業から6月に申請がなされていた。ペメトレキセドナトリウム水和物の再審査期間は6年で、原体・製剤とも劇薬に指定される。シスプラチンには再審査期間は設けない。市販後全症例調査の実施が承認条件となる。

 ◇ドキシル注20mg(ヤンセンファーマが製造販売):有効成分は塩酸ドキソルビシン。エイズ関連カポジ肉腫を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病医薬品の指定を受けており、昨年10月の未承認薬検討会議でも、早期に承認申請が行われるべきとされていた。再審査期間は10年で原体は毒薬、製剤は劇薬に指定される。



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